コロン(:)・セミコロン(;)・ダッシュ(―)の使い方|英語の句読点

コロンやセミコロンって何だか難易度が高そうで、慣れないと使い辛いですよね。

でも、使い方さえ覚えてしまえばとても便利で、論文などのアカデミックな文章はもちろん、メールや英作文でも使いどころはたくさんあります。

そこで今回は、英語の代表的な句読点(punctuation)である「コロン」「セミコロン」「ダッシュ」の使い方を整理しました。それぞれの使い方を理解して、是非ライティングで使っていきましょう。

INDEX

句読点(punctuation)の種類

「コロン」「セミコロン」「ダッシュ(em dash)」はいずれも、文中の区切りや接続に用いる句読点です。

区切り(途切れ)の強さでいうと、どれも「ピリオド」と「コンマ」の間にあります。ピリオド程くっきりとした分断はしないけれど、コンマよりは区切り感があるというイメージですね。

使用できる場面は句読点ごとに異なるため、区切りの強さだけで好きに選んで使っていい訳ではありませんが、下図のイメージを持っておくと各句読点の理解がしやすくなると思います。

句読点のbreakの強さのスケール(降順):period>colon>semicolon>em dash>comma>parentheses>brackets
各punctuationの途切れの大きさ(降順)

文は「ピリオド」まで

「一文」というのは「ピリオドまで」を指します。

コロンやセミコロンでは文は終わりませんので、コロン・セミコロンの後ろは小文字で続けます

  • We collected the following data: age, sex, ethnicity, and BMI.
  • This book is not suitable for elementary school kids: it contains too many difficult Chinese characters.
  • Some prefer textbooks; others prefer video lectures.

最後のピリオドまでが一文です。

コロン(colon,:)

コロンの用法は主に次の2つです。

  1. リスト化
  2. 後ろの文が前の文の説明・例示をするときの「接続」

リスト化

コロンの一番メジャーな使い方はリスト化です。

例文を見た方が早いと思いますので、下の文章をご覧ください。コロンの後ろは名詞の羅列になっていますね。

Volunteers were recruited in three prefectures: Tokyo, Osaka, and Fukuoka.
ボランティアは東京、大阪、福岡の3都道府県で募集しました。

We collected the following data: age, sex, ethnicity, and BMI.
次のデータを収集した。年齢、性別、民族、BMI。

上の例にもあるように、「以下の~です」などとリストアップするときにコロンは非常に便利です。

「以下の、次の」という表現は「as follows と the following の意味と使い方」で説明していますので、良ければ併せてご確認ください。

なお、リストの部分は名詞単体である必要はありません。

例えば以下のように複数語の句でも問題ありません。リストが多い場合や複雑な時は、このように番号を振った方が分かりやすいかもしれませんね。

Japanese schools have three terms: 1) from April to July, 2) from August to December, and 3) from January to March.
日本の学校は、1)4月~7月、2)8月~12月、3)1月~3月の3学期制です。

リストアップはレポートや論文などで「方法」を記載する際によく使いますし、英作文でも使えると便利ですよ。

I’ve been to three foreign countries: Korea, Australia, and Canada.
私は3つの国に行ったことがあります。韓国、オーストラリア、カナダです。

I like the following subjects: music, Japanese, and math.
好きな科目は、音楽、国語、算数です。

ただし注意点があり、コロンの前の部分は完全な文章になっている必要があります。

以下のように不完全な文章に付けることはできません。

  • This survey was conducted in: Tokyo, Osaka, and Fukuoka.

“This survey was conducted in” では文章が成立していないからです。

コロンを正しく使用すると次のような形になります。

  • This survey was conducted in the following places: Tokyo, Osaka, and Fukuoka.
  • This survey was conducted in three prefectures: Tokyo, Osaka, and Fukuoka.

後ろの文が前の文の説明・例示をするときの「接続」

コロンの用法でもう一つ重要なのが、「独立した二文の繋ぎ」としての用法です。

ただし独立した二文なら何でもいいという訳ではなく、「後ろの文が、前の文の説明・補足や例示になっている場合」にのみ使用できます。

つまり、前の文>後ろの文の主従関係が成り立っている場合です。

例文を見てみましょう。

Hamburgers are the most popular foods in this restaurant: over 80% of customers order hamburgers.
このお店ではハンバーガーが一番人気で、お客さんの8割以上がハンバーガーを注文します。

This book is not suitable for elementary school kids: it contains too many difficult Chinese characters.
この本は小学生には向かない。難しい漢字が多過ぎる。

Our university employs the semester system: the first semester starts in April and the second one in October.
本学は二学期制を採用しており、4月に前期、10月に後期がスタートします。

コンマの前の節で述べられていることに対し、コンマの後ろの節でその補足(データ、理由、詳細説明)がされていますね。

なお、コンマの前後の文字列はいずれも独立した文章なので、コンマで繋ぐのではなくピリオドで切っても問題ありません。ただ、コロンを使用することで二文の繋がりが強調されます。

先に述べたことの補足やデータをすぐに提示したい時などに便利です。

論文の「結果」のセクションなどでデータを記載する際にも便利ですよ。

セミコロン(semicolon,;)

セミコロンの主な用法は以下です。メインの役割は、①の関連する独立した二文の「接続」です。

  1. 関連する独立した二文の接続
    1. 繋ぎ言葉なしで繋げるパターン
    2. 繋ぎ言葉を伴って繋げるパターン
  2. リストの区切り(要素にコンマが含まれている場合)

セミコロンは、コンマとピリオドの中間などと言われたりします。「コンマよりは文と文の間に区切りを感じるけど、ピリオドほどクッキリ切れていない感じ」です。

句読点のbreakの強さのスケール(降順):period>colon>semicolon>em dash>comma>parentheses>brackets

以下で具体的な使い方(例文)をパターン別に見ていきましょう。

関連する独立した二文の接続:繋ぎ言葉なしで繋げる場合

二文に関連があれば、独立した文章をセミコロンで繋げることができます。

それぞれ独立した文章のためもちろんピリオドで区切っても良いのですが、セミコロンを使うと二文の関連性が強調されます。

The text in red indicates improvement; the text in blue indicates worsening.
赤色の文字は改善、青色の文字は悪化を表しています。

We should sleep for at least seven hours a day; it is also good to go to bed at the same time every day.
1日7時間以上寝ること。毎日同じ時間に寝るのもいい。

セミコロンで繋ぐ場合は接続詞は不要です。等位接続詞の「and」や「but」などを入れてしまわないように注意してくださいね。

  • Some prefer textbooks; but others prefer video lectures.
  • Some prefer textbooks; others prefer video lectures.

例外として、後ろの文中にコンマの挿入句がある場合や後ろの文が非常に長い場合は、等位接続詞で繋ぐときにコンマではなくセミコロンを使うことが可能です。ただそういう長い文章はそもそも好ましくないため、ご自身のライティングでは避けた方が良いと思います(二文に切ることをおすすめします)。

関連する独立した二文の接続:繋ぎ言葉を伴って繋げる場合

二文の間に前後関係や関連性があり、移行句(transitional phrase)で繋げる場合にもセミコロンが使えます

Everyone knows walking is good for their health; however, most people do not even walk for 30 minutes a day.
歩くことが健康に良いことは誰もが知っているが、ほとんどの人は1日30分も歩いていないのが現状だ。

Their pain reduced significantly; moreover, the quality of their sleeping improved.
痛みが大幅に軽減され、さらに睡眠の質も向上しました。

We assigned a personal trainer for every participant; as a result, everyone completed the course without dropping out.
受講者一人ひとりに専属のトレーナーをつけ、その結果、全員が脱落することなく修了することができました。

Various online lessons are available; for example, you can even learn how to play the piano online.
様々なオンライン講座があります。例えば、ピアノの弾き方をオンラインで学ぶことも可能です。

上の例文にあるような接続副詞や繋ぎ言葉はよく使うと思いますが、新しい文章の書き出しで使用している方も多いのではないでしょうか?

もちろんその使い方でも全く問題ないのですが、セミコロンを使うと前後の文章の関係性・繋がりが強調されます。

決して、移行句を用いる場合にはセミコロンを使用した方がいいという訳ではありません。ただ、繋いだ方が流れや説明が伝わりやすい場合はあるかもしれません。下のようなフレーズを使って文を展開するときは、新しい文で始めるべきか、セミコロンで繋げた方が良いか、是非検討してみてください。

接続副詞・移行句

also, moreover, in addition, nevertheless, however, otherwise, therefore, so, thus, then, finally, likewise, consequently, as a result, accordingly, for example, など…

繰り返しますが、移行句を使う時はセミコロンを使用しなければならない訳ではありません。あくまで文脈次第です。

ちなみに文頭で使えるつなぎ言葉は下記で紹介していますので、よければ併せてご覧ください。

リストの区切り

文の繋ぎ以外では、リストの区切りに使用します。

The information sources were categorized as follows: advertisements in TV and magazine; websites, SNSs, or other online content; books or newspapers; people such as family, friends, or colleagues; and others.
情報源は、テレビや雑誌などの広告、WebサイトやSNSなどのオンラインコンテンツ、本や新聞、家族・友人・同僚など、その他に分類した。

リストの要素は通常コンマで区切りますが、要素の中に既にコンマが含まれている場合にはセミコロンで要素を区切ります。

上の例だと、①テレビや雑誌の広告、②ウェブサイト、SNS、オンラインその他、③本または新聞、④家族・友人・同僚などまわりの人、⑤その他、の5カテゴリに分けたことを言いたいのですが、②④の説明内に既にコンマが含まれてしまっています。

カテゴリの区切りにさらにコンマを使用してしまうと、どこまでがひとつのカテゴリなのかが非常に分かり辛くなってしまいますね。

このようにリストの要素内に既にコンマがある場合は、コンマではなくセミコロンで区切ります。

リストと言っていますが、コロン以下の文字列しか該当しないという意味ではありません。文中のどこであっても、コロンの有無に関わらず、コンマだけでは区切れない場合はセミコロンを使用します。また、要素にはフレーズだけではなく、節を取っても構いません。

ダッシュ(em dash,—)

ダッシュには「短い en dash( – )」と「長い em dash( — )」の二種類ありますが、ここでは「em dash」について説明します。

ちなみに、短い方の「en dash」は数字を連結するときなどに使用します。 (例:28–35%)

コンマ、コロン、丸括弧の代わり

ダッシュは、コンマ、コロン、丸括弧の代わりに使用できます。

目を引きますし他の句読点や括弧よりもポーズが入るため、ドラマチックに強調したいときに使うと効果的です。

【コンマと同じ使い方の例】
We finally—after months of discussions—agreed to conduct this study.
数ヶ月に及ぶ議論の末、我々はようやくこの研究を行うことに合意しました。

【コロンと同じ使い方の例】
This book teaches us three important things—courage, hope, and love.
この本は、勇気、希望、愛という3つの大切なことを教えてくれる。

【丸括弧やコンマと同じ使い方の例】
Prof. Kawasaki—the founder of the ABC research institute—published his autobiography.
ABC研究所の創設者である川崎教授が、自伝を出版した。

He didn’t show up to the meeting—the one in which he was supposed to present the new technology system.
彼は会議に姿を現さなかった。彼が新しい技術体系を発表するはずだった会議に。

ダッシュは用途が広いのですが、他の句読点や括弧に比べてカジュアルな印象を与えます。特にアカデミックな文章では避けた方が良い場面も多いため、使用するは選んでくださいね。

意図的に強調をしたい訳ではないなら、コンマや丸括弧で表現できるときはそちらを使うのがセオリーです。ただ、文の構造上、コンマでは区切りが分かり辛いときや丸括弧を使いたくないときはあると思います。そういう時はダッシュが活躍しますので、是非思い出してあげてください。

例えば下のような文では、コンマよりもダッシュを使った方が文構造がクリアになりますよね(もちろん丸括弧でも表現できますが)。

All these factors, disease duration, hypertension, smoking, and exercise habits, were additionally included in model 2, in addition to age and sex.

All these factors—disease duration, hypertension, smoking, and exercise habits—were additionally included in model 2, in addition to age and sex.

モデル2には、年齢、性別に加えて、これらすべての因子(罹病期間、高血圧、喫煙、運動習慣)を含めた。

おわりに

コロン、セミコロン、ダッシュの使い方はクリアになったでしょうか?

多用し過ぎには注意ですが、上手く使えば分かりやすさや視覚的な効果も期待できるため、使えるととても便利です。

眺めていてもなかなか使えるものになりませんので、是非思い切って使ってみてください。何度か使っているうちにすぐ慣れますよ。^^

コンマのルールは下記でまとめています。

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