文頭の So や Also 多くない?英作文でつなぎ言葉を使う前に考えたいコト

英作文ではついつい文頭に「And」「So」「Also」などのつなぎ言葉を使ってしまう人も多いのではないでしょうか(←私がそうでした)。正しく使えば効果的な接続副詞・フレーズですが、実は不要で「良くない」使われ方をしているケースも多いです。

前後に「関連性」を持たせるためにこういう単語を置きたくなる気持ちは分かりますが、安易な使用は英文の質を低く見せてしまうため要注意です。そもそも、英語ではこういう「つなぎ」が無くても成立することが多いです。

そこで今回は、英作文でつなぎ言葉を使う前に意識したいことをお伝えしたいと思います。不要なつなぎ言葉の使用をやめると文章がすっきりしますし、論理展開を意識するようになるため読者にとっても「読みやすい」文章になりますよ。

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接続副詞・つなぎ言葉

前の文と次の文との関連性を分かりやすくするために使われるのが「つなぎ言葉」です。

ライティングでよく使うつなぎ言葉

そして・また

Also, Moreover, In addition, Additionally, Besides, Furthermore, Then, (×And)

だから

So, Thus, Therefore

でも・しかし

However, (×But)

例えば

For example, For instance

その結果

As a result, Consequently

しかし、文と文との「つながり」を形成するのはその内容です。上に挙げたような表現は、そのつながりを強調するためなど、あくまで効果を付加するために使うものです。「つながり」自体を作るものではありません。

ここでお伝えしたいのが、「英語は論理的な言語のため、文の作りや配置が適切であればこうしたつなぎ言葉や移行句が無くても成立する」ということ。「どのつなぎ言葉を付けるか」よりも、「適切に文章・情報が配置できているか」の方がずっと大事なのです。

(※誤解が無いように補足しますが、接続副詞やつなぎ言葉は一切使用する必要が無いと言っている訳ではありません。適切に使えばもちろん効果的です。)

英語の文章では、「つながり」を決めるのはあくまで展開

英語と日本語では文章展開が異なることはご存じだと思います。

日本語では「具体」から入って「結論」を最後に述べます。時系列で順を追って語ることが多いため、言語的に「そして」や「また」といった単語がよく登場します。

一方、英語では「結論」から入り、その後に「具体」を述べて説明し、改めて「結論」で締めます。文章の前後関係において大事なのは、時間軸よりも論理展開です。論理性の高い言語である英語では、展開に飛躍が無くスムーズに理解できる場合、わざわざ「そして」「だから」などの単語を付ける必要はありません。

「だから」の so や and を英作文で連発している人は多いと思います。
要素を入れ替えたりしてこういう単語が無くても成立する流れにした方がすっきりしますよ。

つなぎ言葉をたくさん置いてしまうケース

My favorite book is XXX. I like it because it is very interesting. Also, it describes historical events. So, I think it is also educational. Moreover, there is a movie based on this book, which is also entertaining. So, I recommend this book to everyone who has an interest in Japanese history.

要素の配置を入れ替えて、つなぎ言葉を外してみた例

My favorite book is XXX, a historical novel set in the Edo period. It is not only interesting but also educational. The movie based on this novel is also entertaining. I recommend this book to everyone who has an interest in Japanese history.

逆接の「However」もついつい使い過ぎてしまう接続表現ですよね。私も、気付いたら一文置きに使ってた、なんてこともあります。

書き手としては違和感が無かったり、「必要だ」と思って使っているかもしれませんが、「でも、でも、」が続くとメインの主張がどこにあるのか分からない文章になってしまいますし、「逆接」になっていない不適切な使い方をしている箇所もあるはずです。

安易に単語ひとつで済まそうとせず、論理構成を考えて文章を配置することが大事です。文や要素の配置を変えれば、こういう単語を使わなくてもスムーズに読み進められることは多いですよ。

ライティングでは無くても済むものは無い方がいいです。
余計なものは取りましょう。

つなぎ言葉をたくさん置いてしまうケース

Teleworking should be more encouraged in Japan because working from home will enable people to maintain a healthy work/life balance. For example, if parents need to commute, they may not often come back home by the time of dinner. However, if they work from home, they will have more chances to have dinner with their kids at home. Moreover, teleworking will also enable people with small children to work, taking care of children.

要素の配置を入れ替えて、つなぎ言葉を減らしてみた例

Japan should encourage teleworking. One reason is that it will enable people to maintain a healthy work/life balance. For example, teleworking will increase the chances for parents to have dinner with their kids at home. It will also enable people with small children to work, taking care of children.

つなぎ言葉を減らすためにやってみたいこと

つなぎ言葉を取ってみる

文頭に So や Moreover などの単語が「必ず」付いている方が、英語では寧ろ異様です。

今まで何となく文頭につなぎ言葉が無いと不安だった人は、片っ端からつなぎ言葉を外してみるといいかもしれません。少し強引なやり方ですが、言語的な感覚を身に付けるには手っ取り早い方法だと思います。

まずは「つなぎ言葉」に頼らず文章構築をし、どうしても唐突感がある場合や展開が分かり辛いところには後から「つなぎ言葉」を足すようにすると、使いすぎが防げます。実際私はこの方法で少しずつ減らしていきました。

以前はネイティブチェックに出すと悲しいくらい文頭フレーズが削除されて返ってきていましたが、だんだん改善してきています(まだまだですが)。

文頭使用だけでなく、「and」や「but」で文を繋げて長文を作りがちな人は、意識して「切って」みてください。英文は短く端的に書く方が圧倒的に分かりやすいですし、アカデミックライティングでは鉄則です。

つなぎ言葉が多くて文章が長いケース

Lung cancer is the leading cause of cancer death, and it affects XXX people in Japan. The 5-year survival rate improved due to the advancement of treatments, and a recent study reported that the 5-year overall survival was XX% in Japan.

つなぎ言葉を減らして文を切ってみた例

Lung cancer is the leading cause of cancer death. In Japan, it affects XXX people. The advancement of treatments prolonged the survival; a recent study reported that the 5-year overall survival was XX% in Japan.

音読で言語感覚を身に付ける

少し時間がかかる方法ではありますが、言語的な感覚の違いに慣れるという点では英語テキストの音読もおすすめです。

つなぎ言葉が意外と使われていないことに気付けますし、無くても平気な感覚が掴めると思います。また、逆にどういう文で使われているかに注目すると、こうした表現を使うべき文脈が学べます。

音読の方法については「ライティング力を上げるための「音読」の方法」をご覧ください。

展開に飛躍がある場合は、内容を考え直す

多少の「感覚の修正」は必要だと言いましたが、何でもかんでもブツ切りでいいという訳ではありません。前後の繋がりに違和感がある、唐突感がある、飛躍があると感じる場合は、素直に文章の配置・内容を再考しましょう。

文章の作り(語順)がややこしいから、「つなぎ言葉」が無いと理解が難しいのかもしれません。

例えば、文頭に新情報を置いてしまうとその先を読み進めるまで読者には繋がりがあることが分かりません。そのため、文頭につなぎ言葉を置きたくなりがちです。

一方、旧情報⇒新情報という作りになっていれば、わざわざ文頭につなぎ言葉を置かなくても、読者はスムーズに読み進められます。

Aは体内に吸収されるとXXに結合する(新情報)。この結合により(旧情報)、YYの合成が抑制される(新情報)これが抑制されることにより(旧情報)、ZZの発生が抑えられる(新情報)。

面倒ですが、これが上手くできると文章のまとまりや説得力が一気に増しますよ。

おわりに

「つなぎ言葉」で文章に関連性を持たせようとする気持ちはよく分かります。私も実際やってしまいます。

でも英語では、いちいち「つなぎ」が無くても論理が成立していれば自然なんです。この「無くても成立する」ということを認識するだけで、不要なつなぎ言葉の使用は減らせそうな気がしませんか?

書き方の癖は急には変わりませんが、意識するだけでもだいぶ違います。是非、皆さんの英作文・ライティングにも活かして頂ければ幸いです。

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