英文エッセイでよく使う文頭フレーズ&つなぎ言葉|論理展開に便利な接続表現

「さらに」「とはいえ」「一方で」「そのため」「これらを踏まえると」「結論としては」、、、

論述文を書いていると、こういう一言を入れたいと思う時ってよくありますよね。

毎文にこういう接続副詞や移行句が必要な訳ではありませんし、たくさん使い過ぎると鬱陶しくなってしまうため注意が必要ですが、論理展開上「あると便利」です。

というわけで今回は、エッセイや論文で頻出の『繋ぎの文頭表現』を集めました。接続詞・副詞・前置詞句など品詞はバラバラです(笑。でも、覚えて絶対損はないものばかりですよ。

知らないものがあれば是非この機会に持ち帰ってくださいね ^^

INDEX

実用性抜群の文頭英語表現(英単語、フレーズ)

以下の表現はどれも論文やエッセイでよく使うものばかりです。知らないものがあれば是非チェックしてみてください。

用途・意味文頭の表現(単語、フレーズ)
追加(さらに、また)Additionally, In addition, Moreover, Furthermore
逆接(しかし、とはいえ、~にもかかわらず)However, Nevertheless, Although, Despite
対比(その一方、それに対し、逆に)On the other hand, In contrast, Conversely
類似(同様に)Similarly, Likewise
前提(~を踏まえると、~を考えると)Considering, Given, In light of
結果(その結果、結果として)As a result, Consequently
理由(だから、そのため、従って)Therefore, Thus, Hence
結論(結論としては)In conclusion, In summary

同じ意味やほぼ同義の表現は最初から全て覚える必要はありませんが、最終的にはここにあるものは全て覚えてしまえるといいかなと思います。ある程度の語数のエッセイを書くとなると、例えば「さらに」とか「そのため」などは何回か使いたくなると思うからです。

英語では同じ表現の繰り返しを日本語以上に嫌います。同じ単語を何度も繰り返し使わなくて済むように、同義語を複数持っておくことをおすすめします。

少しずつですが例文を用意しましたので、参考にしていただければ幸いです。

【追加】の表現

覚えたい表現

また、さらに、加えて、その上

  • Additionally【副】
  • In addition
  • Moreover【副】
  • Furthermore【副】

例文は2つしか用意しませんでしたが、どれも意味・使い方は同じです。Additionally や In addition に置き換えても大丈夫です。

This new application improved work efficiency. Moreover, it facilitated the communication between people working from home.
この新しいアプリケーションによって仕事の効率が上がった。さらにこのアプリにより在宅勤務者同士のコミュニケーションも円滑になった。

Students complain about the quality and inefficiency of online classes. Furthermore, online lessons increase the burden on their parents.
学生たちはオンライン授業の質と効率の悪さに不満を抱いている。さらに、オンライン授業は保護者の負担も増やしている。

リストには入れませんでしたが、このほかに「Also」「Besides」もあります。

この二つは若干カジュアルですが、論文でも普通に使います。「エッセイでは使えないほどカジュアルなレベル」という訳でもありません。ただこの二つは文頭以外でもよく使うと思いますので、是非リストに挙げたものを優先的に使ってみてください。

また、添加するときによく使う「not only but also」構文については下記で解説していますので、良ければこちらもご覧ください。

【逆接】の表現

覚えたい表現
  • However【副】(しかしながら)
  • Nevertheless【副】(それでもなお、それにもかかわらず、とはいえ)
  • Although【接】(~であるが、~だけれども)
  • Despite【前】(~にもかかわらず)

However と Nevertheless は共に接続の副詞で、使い方は同じです。前の文とセミコロンで繋げて使うことも多いです。

Online classes have benefits for both students and teachers. Nevertheless, the possible disadvantages, such as reduced inter-friend interactions, should not be disregarded.
オンライン授業は生徒と教師のどちらにもメリットがある。とはいえ、友人間の交流が少なくなるなどのデメリットも無視できない。

Although は接続詞で、従属節を導きます(although の後ろには S + V を取ります)。

Although our results did not identify any new safety concerns, the safety of this treatment should be confirmed in a future long-term study.
今回の結果では安全性に関する新たな懸念は確認されなかったが、安全性については今後の長期試験で確認する必要がある。

Despite は前置詞のため、後ろに「名詞句」を取ります。節を取る Although とは使い方が異なるので注意しましょう。

Despite the increasing awareness of environmental problems, there is still a large gap between people’s knowledge and actions.
環境問題への意識は高まっているものの、人々の知識と行動にはまだまだ大きなギャップがある。

逆接のフレーズは、エッセイや論文などで反対意見などに対する「反論」をする時にも必須です。

上手に使えるようになりたいですね!

ちなみに、逆接の接続詞には albeit や yet もあります。これらは自分で使えなくてもいいものですが、一応使い方を下記で整理していますので興味がある方はご覧ください。

【対比】の表現

覚えたい表現
  • On the other hand(その一方で)
  • In contrast(それに対し、その一方)
  • Conversely【副】(逆に、かえって)

対比表現は各フレーズ(単語)で少しずつ意味が異なります。上で見た【追加】の表現のように同義では使えないことが多いと思いますので、注意してくださいね。

People who prefer working from home consider no commuting as advantageous. On the other hand, they admit that it deprived them of valuable exercise opportunities.
在宅勤務が好きな人は通勤がないことを利点だと考えている。その一方で、貴重な運動の機会を奪われることも認めている。

Managers were eager to have regular online meetings. In contrast, younger people were reluctant to have routine online conferences.
管理職は定期的なオンライン会議に意欲的だった。一方、若手は消極的であった。

Too much monitoring will not nurture a human relationship. Conversely, it will harm the trust in the relationship.
監視しすぎると人間関係が育たない。逆に、信頼関係を損なうことになる。

対比表現は他にもあります。文頭で使うフレーズだけではなく、while や whereas などの接続詞も知っておくと便利ですよ。

対比に使えるその他の表現は下の記事で詳しく紹介していますので、余裕がある方は是非チェックしてみてください。

【類似】の表現

覚えたい表現

同じく、同様に

  • Similarly【副】
  • Likewise【副】

どちらも副詞のため同じように使えます。ほぼ同義です。

Globally, people are becoming more aware of the importance of accepting diversity. Likewise, Japanese people are becoming more serious about solving gender minority issues.
世界的に多様性を受け入れることの重要性が認識されつつある。 同様に日本でも、ジェンダーマイノリティの問題解決に真剣に取り組むようになってきている。

【前提】の表現

覚えたい表現
  • Considering (that)(~を考えると、~を考慮すると)
  • Given (that)(~と仮定すると、~を考えると、~を前提とすると)
  • In light of(~を踏まえると)

Considering は元は分詞構文(たぶん)ですが、慣用的に「~を考えると」という意味で前置詞として後ろに「名詞句」を取って使います。

今回は「文頭で使えるフレーズ」がテーマなので例文では文頭で使っていますが、considering 自体は必ずしも文頭で使う必要はなく、主節を先に書いてもOKですよ。

Considering the costs, public schools will not afford this technology.
コストを考えると、公立学校にはこの技術を導入する余裕はないだろう。

Considering the negative impacts of blue lights, parents should be more cautious about their kids’ exposure to those lights.
ブルーライトの悪影響を考えると、親は子供がブルーライトにさらされることにもっと注意を払うべきだ。

また、接続詞として後ろに「that 節」も取れます。

名詞句も that 節もどちらも非常によく使いますので、両方とも使えるようにしておくと便利です。(短く済む名詞句で表現できれば理想的ですが、that 節の方が書き易い場合もあると思います。)

Considering that symptoms can persist once they develop, raising awareness of its prevention is crucial.
一度発症すると症状が長引くことを考えると、予防のための啓発は非常に重要です。

Given も同じような文脈で使えます。「~を考慮すると」の他に、仮定の「~だとすると」という意味もあります。

Considering と同様に前置詞と接続詞の二つがあり、後ろに「名詞句」か「that 節」が取れます。また、Considering と同じく、主節の後ろに given の句/節を置いても大丈夫です。

「~を考えると」という前置きは論述では地味に便利なので、是非使ってみてくださいね。

Given the dramatic increase in the elderly in Japan, the current social security systems will not be realistic in years to come.
日本における高齢者の激増を考えると、現在の社会保障制度はこの先現実的ではなくなるだろう。

Given that more young people are suffering from depression these days, increasing the number of counselors in schools and workplaces may be a good strategy.
最近うつ病になる若者が増えていることを考えると、学校や職場にカウンセラーを増やすのも良い戦略かもしれません。

類似表現では「~を踏まえると」「~に照らして考えると」という意味の「in light of」も結構使えます。

In light of the results of this survey, younger generations may have more interest in environmental problems than older generations.
今回の調査結果を踏まえると、若い世代は上の世代よりも環境問題への関心が高いのかもしれません。

【結果】の表現

覚えたい表現
  • As a result(結果的に、結果として)
  • Consequently【副】(その結果として)

これはご存じの方も多いかもしれませんね。どちらも同じように文頭で使えます。

Many companies introduced teleworking. Consequently, the home appliances and technology devices industries enormously increased their sales.
多くの企業がテレワークを導入した。その結果、家電や情報機器業界は売上を大幅に伸ばした。

【理由】の表現

覚えたい表現
  • Therefore【副】(そのため、それゆえ、従って、だから)
  • Thus【副】(その結果として、そのため、だから)
  • Hence【副】(この理由で、それゆえ)

「だから」という日本語でも大活躍の単語ですね。前の文を根拠にして自分の主張を述べたり結論やまとめを書いたりするときに非常に便利です。

英作文では「だから」という意味で「So」を使う人が多いです。もちろん間違いではないのですが、「So」はカジュアルなので文章のトーンに注意して使いましょう。

逆にここで紹介した単語は「So」に比べると重いです。前後の論理展開がしっかりしているときに使いましょう(あまり理由になっていない文脈で「Therefore, 」とか書いてしまうと「?」と思われてしまいますので注意です)。

Chronic musculoskeletal pain is challenging to cure, and it substantially impairs daily activities. Therefore, an early intervention to prevent its chronicity is critical.
慢性の筋骨格系疼痛は治癒が困難であり、日常生活に大きな支障をきたします。そのため、慢性化を防ぐための早期の介入が重要です。

また使いやすいため、気付くと「thus」「thus」「therefore」…と thus (therefore) 文 のオンパレードになってしまっていることもあります・・・。

使い過ぎると鬱陶しいですし、「therefore」で強調したい肝心な所の印象も薄くなってしまいます。使いすぎには注意しましょう(自戒をこめて)。

【結論】の表現

覚えたい表現
  • In conclusion(結論として、要するに)
  • In summary(要約すると、まとめると)

エッセイや論文の結論の文章はこれで始めれば間違いありません。

結論はいつも1回しか言わないので、何パターンも覚える必要もありません。私は99%「In conclusion」を使います。笑

最後の結論はダラダラ書かずに短くまとめるのがポイントです。

In conclusion, increasing information literacy is urgently needed in this highly advanced information society.
結論としては、このような高度情報化社会では情報リテラシーの向上が急務である。

英作文でつなぎ言葉を使う時の注意点

冒頭で述べた通り、こうした「つなぎ」のフレーズ(単語)が使えると論理展開が楽になりますし、強調もできます。適切に使えていれば、読み手に取っても展開が分かりやすく読みやすいでしょう。

ただし、不用意に使わないよう注意が必要です。

英語は論理的な言語なので、文の配置が適切であれば文頭にこのような接続副詞や移行句をわざわざ置かなくても論理展開は分かります。毎文毎文、「だから」とか「そして」などの単語を置く必要はありません。

ついつい使ってしまいがちな方は注意してみてください。この点については下記で詳細に語っています。

おわりに

エッセイや論文などの論述でよく使う文頭表現をまとめました。上手に使えば話の展開が分かりやすくなりますし、「逆接」や「理由」「結論」など、強く主張したいところで使うと強調もできて効果的です。

セミコロンで前の文と繋げて使うことも多いです。セミコロンの使い方が不安な方は「コロン(:)・セミコロン(;)・ダッシュ(―)の使い方|英語の句読点」で説明していますので、よければご覧ください。

知っていると便利なものばかり、よく使うものばかりです。使い慣れていないものがあれば、是非この機会に覚えてみてください。

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