「~について」を表す英語:about の他に覚えたい表現と注意事項

「~について」「~に関して」という言葉は話題やテーマを提示する際に必須の日本語ですね。メールの題名ひとつとっても、「~についてのお願い」「~に関する問い合わせ」「~についての確認」など頻出です。

英語での表現は「about」をまず習いますが、ライティングでは断然「on」の方がおすすめです。

今回は、「~について」「~に関しては」のように主題提示に使える英語表現をまとめました。英語ネイティブがよく指摘する、日本人がしてしまいがちな「多用」の問題についても最後に紹介していますので、気になる方は是非そこだけでもご覧ください。

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「~について」「~に関する」を表す英語

「~についての、~に関する」という意味では、「about」「on」「regarding」「concerning」を覚えておけばライティングで困ることはありません。

  1. about
  2. on
  3. regarding
  4. concerning
  5. as for

最後の「as for」は少し毛色が違いますが、「~に関しては」と文頭で主題提示するときに便利なので一緒に押さえておきましょう。(日本語の感覚に合うのか、日本人は文頭で「~に関しては、」を使いまくり過ぎるそうです。詳細は後述しますが癖にならないよう注意したいですね。)

About

「about = ~について」の用法は中学校でも習いますよね。

I read an article about the current economic situation in Japan.
現在の日本の経済状況についての記事を読みました

Our team has sufficient knowledge about this technique.
我々のチームはこの技術について十分な知識を持っています。

メールなどで問い合わせをする時にもよく使います。

I have an inquiry about the subsequent procedures.
その後の手続きについて問い合わせがあります。

自動詞と使うことも多いですが、他動詞の場合は「about」は不要になるため動詞の種類には注意しましょう。

  • Let’s talk about our plans more casually.
  • Let’s discuss about internal issues more openly.

特に、discuss に about を付けてしまう間違いは英作文ではとても多いです。他にも「explain」「consider」「describe」など、日本語では「~について」と使うので「about」を付けてしまうケースは多いですが、他動詞の場合は「about」は併用しません。

動詞ではなく名詞として使う場合(例:discuss → discussion)は、もちろん「about」で後ろに目的語を付加できます。

We had a long discussion about our school rules.
私たちは校則についてじっくり話し合いました。

基本の単語なので「about」はどんな文脈でも使えますが、他の表現も知っておいた方が何かと便利です。下で紹介する残りの4表現も使えるようにしておくことをおすすめします。

On

前置詞の「on」には、「~に関して、~に関する」という意味もあります。

ライティングでは about と on どちらも使える文脈であれば「on」が断然おすすめです。理由は「on」の方が単語が短くて経済的だからです。

「on」でほとんど事足りるので、私は後で紹介する regarding や concerning は滅多に使わないレベルです。ミニマムな前置詞で済むならそれに越したことは無いと思います。

(私も昔はカッコいい気がして regarding など結構使っていたのですが、論文などのアカデミックな文章ではことごとく経済性重視の単語に直されるので、いつの間にか自分の単語選択の基準も変わっていました。)

We conducted a survey on youth’s interests in politics in Japan.
日本における若者の政治への関心について調査を行った。

The article on the increasing restriction of freedom of speech shocked me.
言論の自由が制限されつつあるという記事には衝撃を受けた。

There has been a long debate on this topic between proponents and opponents.
このテーマに関しては、賛成派と反対派の間で長い間議論が交わされてきました。

The government should provide more information on this issue.
政府はもっとこの問題に関する情報を提供すべきだ。

質問とか問い合わせの時にももちろん使えますが、普通のメールでは「about」、堅苦しいトーンのメールでは「regarding」とかの方が一般的かもしれません。

I have a request on my work schedule.
仕事のスケジュールでお願いがあります。

この辺の使い分けは私の専門ではないので分からないのですが、私はメールでは about をよく使います。アカデミックな文章でないところでは上で述べた経済性よりも馴染みの多い単語を使う方が大事だと思います(on も超一般的な前置詞ですけどね)。

Regarding

「regarding」は、about や on と同じく「~に関して、~について」という意味を持つ前置詞です。

文頭で使用して主題提示するのに便利です(about や on ではこの使い方はあまりしないと思います)。

Regarding the schedule, I’ll send you a rough timeline after discussing it with the team.
スケジュールについては、チームと相談した上で大よそのものを送ります。

もちろん、文頭以外でも使用します。

The government will publicly announce the current situations regarding this matter.
この件に関しては、政府が現状を公表する予定だ。

The current rule regarding the use of digital devices needs reconsideration.
デジタル機器の使用に関する現行のルールは再考する必要があります。

Please let us know if you have any information regarding this incident.
この件に関して何か情報をお持ちの方はお知らせください。

メールなどで何か問い合わせをする際にもよく使います。

I have a question regarding the recruitment process.
採用プロセスに関して質問があります。

「in regard to」や「with regard to」の形でも同様の意味で使われますが、一語で済むものを敢えて複数語で表す必要はないですし経済性に反するので、作文する際に積極的に使う必要は無いと思います。見た時に理解できるように知識としてあれば十分な気がします。

また、これと混同しているのか、「regarding with…」や「regarding to…」などと別の前置詞とくっつけて使う誤用も多いです。regarding 一語で「~に関する」という意味の前置詞ですので、余計なものをくっつけないように注意しましょう。

Concerning

「concerning」も、regarding と同様「~に関する、~について」という意味を持つ前置詞です。

We need to review our budget concerning educational training.
教育研修に関する予算を見直す必要がある。

They had a long discussion concerning how to address this trouble.
この問題をどう解決するか、長い間議論された。

Concerning inquiries on shipping, please contact the customer service center at xxx@xxxx.xxx.
発送に関するお問い合わせは、カスタマーサービスセンター(xxx@xxxx.xxx)までお願いします。

about よりちょっと真面目に書きたい文脈なんかで使う人も多いかもしれません。

I am attaching the last year’s data concerning the prices.
価格に関する昨年度のデータを添付します。

I have an inquiry concerning the application requirements.
応募要項について問い合わせたいのですが。

※ about もビジネスで普通に使いますし、何ら問題ありません。多少のニュアンスの違いはあるのかもしれないですが、実用で気にするほどのことではないです。ほとんど好みの問題だと思いますので使い分けは気にし過ぎないでくださいね。

As for

最後に紹介する「as for」は、「~に関して」という主題提示に使えるフレーズで、主に文頭で使用します。

As for financial benefits, the reform achieved a 2% reduction in production costs.
財務的な効果としては、生産コストの2%削減を達成しました。

As for the work shift, please let me know one week in advance if you want to change or take a day off.
勤務シフトについては、変更や休みを希望する場合は、1週間前までにお知らせください。

As for the charging for plastic bags, I don’t think it is a reasonable measure to reduce the consumption of plastics.
レジ袋の有料化については、プラスチックの消費を減らすための合理的な施策とは思えません。

about や on はこうした文頭での話題提示には適さないため、覚えておくと便利だと思います。もちろん、regarding や concerning を使ってもいいんですけどね。

日本人は使いすぎ:論文などを書くときに気を付けたいコト

文頭に Regarding や As for を用いて、「~については、・・・です。」という形の英文を書く日本人はとても多いようです。

日本語の助詞「は」にはテーマを表す主題提示の役割があります。「~は、○○です。」「~については、○○だ。」というように、日本語の文章では「~については」で主題提示するのが自然です。そのため、英文でもまず文頭で「~については」とテーマを明示すると安心するというか落ち着くんだと思います。

Regarding や As for はこの日本語の主題提示の構造にピッタリなので、ついつい使いたくなるんですよね。私も「as for」を覚えたころはなんて便利なんだ!と思ってしょっちゅう使っていました。

しかし、これは英語では自然ではないようです。もちろん、文法的には問題ないし実際使うこともあるけど、この構造が目立つくらい使っちゃうのはダメということらしい・・・。実際、論文の英文校正では私もだいぶ直されてきました。

癖になってしまうと「As for」の書き出し以外思いつかなくなってしまうと思いますので(かつての私のように・・・)、頼り過ぎないように心がけてみてください。As for で主題提示しなくても、英語では主語や目的語として提示するだけで何の問題もなくそれが「テーマ」であることは伝わるし、そちらの方が自然だったりするそうです。(私は変な癖がついちゃっていたので、これを受け入れられるようになるまで結構苦労しました。)

おわりに

「~について」という意味で使える英語表現を整理しました。

基本的には about か on で事足りると思いますが、文頭で使いたい時には regarding, concerning, as for なども知っていると便利です。

単語選択は「好みの問題」で済む場合がほとんどだと思いますが、文章のトーンや使用場面によっては使い分けした方が良い場合もあると思います。「about」しか使えないのも不便だと思いますので、知識として他の選択肢も持っておくといいと思いますよ。

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