関係代名詞whichと関係副詞whereの使い分け|状況・場面を表す先行詞

関係副詞を習いたての頃は、which と where どちらを使えばよいのか迷いますよね。

「先行詞が場所の時は where だ」と思っている人もいるかもしれませんが、これは正しくはありません。

英作文を添削していても両者を混同してしまっているミスはとても多いです。

そこで今回は、関係副詞の中でも where に注目し、which と where の使い分けを整理します。色んな先行詞の例文を用意していますので、この機に是非 where の使い方を整理してみてください。

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関係代名詞と関係副詞

場所を表す名詞が先行詞の場合でも、関係代名詞の which が適切な場合もありますし、関係副詞の where が適切な場合もあります。

先行詞の意味ではなく、構造から使い分けできるようにしましょう。

関係代名詞の which(目的格)

まずは関係代名詞 which のおさらいから行きますね。

「これは【秋になるとよく訪れていた】公園です。」という文章を例にします。

先行詞(関係節を使って説明したい名詞)は公園で、この公園を【秋になるとよく訪れていた】と関係節で修飾したい訳ですね。

①これは公園です。(This is the park.)
 +
②秋になるとその公園をよく訪れていました。(I used to visit the park in the fall.)
 ↓
これは【秋になるとよく訪れていた】公園です。

【秋になると(その公園を)よく訪れていた】の部分を独立した文章で表すと “I used to visit the park in the fall.” となります。

関係節で説明したい内容を独立した文章で考えた時、先行詞が単体で動詞の目的語になっている場合は関係代名詞の which を使って関係節を作ります。

例文では visit の目的語に the park のみ入れれば文章(I used to visit the park in the fall.)として成立します。

the park は単体で visit の目的語になっていますね。

こういう場合は、先行詞 the park の後ろには関係代名詞の which を用いて関係節を作ります。visit の目的語(the park)は先行詞で前に出ていますので、関係節内には入れません。

This is the park which I used to visit in the fall.

関係代名詞の which は主格にも使いますが、今回は関係ないので省きます。

先行詞が副詞的要素の場合

次は、先行詞が副詞的要素の場合を考えてみましょう。

「これは【よくダンスの練習をしていた】公園です。」を例文にします。

①これは公園です。(This is the park.)
 +
②その公園でよくダンスの練習をしていました。(I used to practice dance in the park.)
 ↓
これは【よくダンスの練習をしていた】公園です。

【(その公園で)よくダンスの練習をしていた】の部分を独立した完全文で考えると “I used to practice dance in the park.” となります。

先行詞の the park は場所を表す副詞の要素(「公園で」)です。完全な文を作るには the park の前に前置詞の in が必要ですね。

このように先行詞だけパコっと入れるだけでは成立せず、前置詞が必要な場合は、先行詞の後ろに「その前置詞 + which」を置いて関係節を導きます。

This is the park in which I used to practice dance.

前置詞 + which は関係副詞(when, whereなど)で置き換え可能

上で見た This is the park in which I used to practice dance. のように、

  • 先行詞が場所を表す名詞で、
  • 前置詞 + which で関係節を導いている場合、

この 前置詞 + which は関係副詞の where で置き換えることができます。

This is the park in which (= where) I used to practice dance.

先行詞が場所を表す名詞ではない場合は where ではなく別の関係副詞での置き換えが可能になりますが、今回は where に注目しているため省きます。
前置詞 + which が全て where に置き換わる訳ではない点のみ注意してください。

おさらい

ここまでの内容を整理しますね。

関係節で説明したい内容を独立した文章で考えた場合に、

  • 先行詞単体を入れれば済む場合which を使う
  • 先行詞の前に前置詞を入れないと文章として成立しない場合 前置詞 + which を使う
  • 前置詞 + which は関係副詞で置き換え可能
  • 先行詞が場所を表す名詞の場合は 前置詞 + which = where
This is the park which I used to visit in the fall.
This is the park in which I used to practice dance.
This is the park where (=in which) I used to practice dance.

動詞の目的語か副詞的要素か、、、などと説明しましたが、意味役割で考えると混乱するため上のように形で区別するのがおすすめです。

また、前置詞 + which ⇒ where のように必ず2段階の工程を経て作文しなければならないものではありません。

前置詞がいるなと思った時点で関係副詞を選択してしまえばOKです。慣れればいきなり where を選択するようになると思います。

イメージは掴んでいただけたかと思いますので、下では例文を見ながら理解を深めていきましょう。

「場所を表す名詞」といっても物理的なものだけではなく、「状況」や「場面」のような名詞も「場所を表す名詞」と考えます。

例文

先行詞で which か where が決まる訳ではないことを見るために、同じ先行詞の文章を対比してみます。

which vs. where?

関係節で説明したい内容を独立した文章で表現するとき、①先行詞をそのままパコっとハメるだけで済むか、②前置詞が無いと文章が成立しないか、で考えます。

  1. He was the speaker at the seminar which we hosted.
    彼は私たちが主催したセミナーの講師を務めてくれました。
  1. He was the speaker at the seminar where we met.
    彼は私たちが出会ったセミナーの講師でした。

①では “We hosted the seminar.” となり、the seminar は host の目的語なので関係代名詞の which を使います。

一方、②では “We met at the seminar.” のように前置詞 at が必要なため、関係副詞の where を使います(the seminar at which we met としても文法的にはOKです)。

1) the seminar which we hosted, 2) the seminar where we met

下の例文も同じように考えてみてください。

  1. This is the building which my brother visited yesterday.
    ここが、昨日兄が訪れたビルです。
  1. This is the building where my brother works.
    ここは私の兄が働いているビルです。

①では visit の目的語が the building になりますので、関係代名詞の which で関係節を導きます。

一方、②では完全な文章を作るには “My brother works in the building.” とする必要がありますので、関係副詞の where を使います。

1) the building which my brother visited, 2) the building where my brother works

もう1セットだけ見ておきましょう。

  1. On which floor is the room which you booked?
    君が予約した部屋は何階にありますか?
  1. On which floor is the room where we’ll have today’s meeting?
    今日のミーティングを行う部屋は何階にありますか?

①では “You booked the room.” で文章が成立しますが、②では “We’ll have today’s meeting in the room.” と、the room の前に前置詞が要りますね。

1) the room which you booked, 2) the room where we'll have today's meeting

関係副詞 where を使った様々な例文

which か where かは先行詞で決まる訳ではないということは確認できたと思います。

ここからは、関係副詞の where を使った関係節の例文を見ていきましょう。

「場所を表す名詞」といっても色んなものがありますので、先行詞にも注目してみてください。

I want to return to the city where I lived in my childhood.
幼少期に住んでいた街に戻りたい。

“I lived in the city in my childhood.”

We watched a video of his performance at the competition where he won second prize.
彼が2位を獲得したコンクールでの演奏をビデオで観ました。

“He won second prize in the competition.”

前置詞は in や at に限りません。

They are members of the soccer club where my little brother belongs.
彼らは弟が所属しているサッカークラブのメンバーです。

“My little brother belongs to the soccer club.”

belong to で「~に所属する」ですね。

in や at ではないため「場所」と言われると違和感があるかもしれませんが、これも前置詞を必要とするため関係副詞の where を使います。

状況・場面

物理的な場所だけではなく、状況や場面を表す名詞も「場所を表すもの」と考えます。

I was shocked at the scene where no one tried to help the man.
誰もその人を助けようとしない光景に衝撃を受けた。

There are some situations where you have to handle problems all by yourself.
自分一人で問題を対処しなければならない場面もあります。

In cases where pain or itching occurs, stop using this product immediately.
痛みやかゆみが生じた場合は、直ちに使用を中止してください。

It’s one of many occasions where I made stupid mistakes.
私がバカな失敗をした数ある場面のひとつです。

There may be a circumstance where an extension is allowed.
場合によっては、延長が認められることがあります。

まとめ

関係代名詞 which か関係副詞 where のどちらを使うべきかは、関係節で説明したい内容を独立した文章で考えると分かります。

  • 先行詞単体を入れれば済む場合は【which】を使う
  • 先行詞の前に前置詞を入れないと文章として成立しない場合は【前置詞 + which】を使う
  • 【前置詞 + which】は関係副詞で置き換え可能
  • 先行詞が場所を表す名詞の場合は【前置詞 + which】=【where】

また、場所を表す名詞には scene, situation, occasion, case, circumstance などの場面・状況を表す単語も含まれます。

which との区別の方法は他の関係副詞(when や why)でも同じですので、ぜひ併せて整理してみてください。

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