英文エッセイの構成|自由英作文の書き方・組み立て方

エッセイってどう書いたらいいのか分からない・・・

エッセイや自由英作文は自由度が高いため、どう書いたらいいのか分からない人が多いと思います。

でも、英文エッセイには決まった「型」があります。型通りに内容を当てはめていけば大きく失敗することはありません。

寧ろこの型から外れていると、いくら上手に書けているように見えても「論理展開が不明瞭」ということで低評価になってしまう可能性が高いです。型に忠実に構築することが大事です。

そこで今回は、エッセイの基本構成(型)と組み立て方を解説します。この「型」を身に付ければどんなトピックであってもパターン通りに作れるようになりますよ。

エッセイ・自由英作文に自信のない方は是非まずこの型をマスターしましょう。

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英文エッセイの出題パターンとポイント

まずはエッセイの出題パターンを確認しましょう。

資格試験(英検、TOEFLなど)や中学・高校で出題されるエッセイ(自由英作文)課題のほとんどは、以下のようなタイプです。

エッセイの出題パターン
  • 賛成・反対の意見を述べるもの(Agree/Disagree)
    • 例:「表現の自由はある程度制限すべきである」という意見に、賛成か、反対か?
  • 質問に Yes/No で回答し、その意見を述べるもの(Yes/No)
    • 例:頻繁に仕事を変えることは良いことだと思うか?
  • 選択肢や自分の経験の中から選んだものについて述べるもの(Choice)
    • 例:一人旅が好きな人もいれば、誰かと行く方が好きな人もいる。あなたはどちらが好きですか?
    • 例:これまで行った中で一番良かった旅行先はどこですか?何が良かったかも含めて紹介してください。

結局どの問題でも「あなたの意見」を聞いていますよね。

エッセイでは、「自分の意見をスパッと選んで、それについてブレずに書いていくこと」が大事なのです。

エッセイのポイント

選んだ自分の意見を明確に主張し、それについて一貫して論じること

英文エッセイ(自由英作文)の構成

それでは早速、エッセイの基本構造を見てみましょう。下図が基本の「型」です。

英文エッセイの基本の型(導入・本論・結論)
英文エッセイの型

図にある通り、エッセイは ①導入、②本論、③結論 の3パートで構成されます。

書き出しの「導入」では自分の主張を明確に宣言します。最後まで結論を隠して焦らす日本語とは異なり、英語では最初に結論(結局、何が言いたいのか)を提示してしまうのがポイントです。

次にメインボディの「本論」では、その主張に至った理由・根拠を示します。英語では「Why?」ってよく聞かれますよね。出題者(読者)は、「何故あなたはそう思うのか」「何故あなたはそれを選んだのか」という理由に興味があるのです。この「本論」がめちゃくちゃ大事です。理由・根拠は1つでは不十分なため、2~3個挙げるようにしましょう。

そして最後に「結論」として、自分の主張を再度提示して締めます。

「主張」⇒「理由」⇒「主張」です。構造としてはシンプルですよね。
「起承転結」が要る日本語より、英語の方がずっと書きやすいはずです。

型に沿って骨組みを作ってみよう

では早速、このテンプレートに沿って骨組みを作ってみましょう。

例題:大学教育は全員が受けるべきだと思うか?

導入

【主張】
みんなが大学に行く必要はない

本論

【理由①】
大学より他の場所で学ぶ方が適している分野もあるから(例:料理)
⇒分野によっては、大学に行くのは非効率

【理由②】
大学で勉強したいことがない人もいるから
⇒特に行く目的がない人が高額な学費を払ってまで行く必要はない

結論

【主張】
大学に行くことが全員にとってベストな選択ではなく、みんなが行く必要はない。

それぞれのパートに中身を当てはめていくだけでエッセイが構築できそうですね。組み立て方のイメージは伝わったでしょうか?

この基本構造(テンプレート)に忠実に組み立てさえすれば、エッセイの構成はバッチリです。どんな問いであってもこの型で書くことができますので、是非マスターしてしまいましょう。

エッセイの各パートのポイント

それでは、各パート(導入、本論、結論)で大事なポイントを見ていきましょう。

「導入」で大事なこと

「導入」パートに必須の要素は、設問に対する回答、つまり自分の「主張」です。冒頭で自分の立場を明確にしてはっきりと宣言しましょう。

  • 賛成なのか、反対なのか
  • Yes なのか、No なのか
  • A なのか 、B なのか

エッセイでは、選ぶ「意見」は何でも構いません。本心としては「反対」でも、「賛成」の立場の方が書きやすそうであれば「賛成」で書きましょう。自分の「本当の意見」である必要はありませんし、選ぶ「意見」は評価に関係しません。

短いエッセイでは主張の一文があれば「導入」は十分です。理由・根拠が複数あれば、「理由は以下です」「○つ理由があります」などを追加してもいいでしょう。長めのエッセイで語数に余裕がある場合は冒頭に背景説明の文章を入れますが、一文程度しか入れられないようであれば無理に入れなくて大丈夫です。

主張の書き出しの参考表現
  • I think that…
  • I believe that…
  • I agree with…
  • I disagree with…

添削をしていると、たまに “I agree with this idea.” としか書いていないケースを見かけます。問題文を見れば “this idea” の中身はもちろん分かりますが、答案だけを読んでも分かる状態にした方が安全です。「~という意見には賛成だ/反対だ」と、その意見の中身まで書くようにしましょう。

「本論」で大事なこと

「本論」は、ひとつの理由(根拠)につき1ブロック、という感じで塊で構築していきます。

理由が2つあれば2ブロック、3つあれば3ブロック…のように足していくだけですので、ブロックの作り方さえ押さえればいくらでも大きな Main Body が作れるようになります。

短いエッセイなら理由は2つで十分だと思いますが、長めのエッセイだと足りないかもしれませんし、問題文で理由の数が指定されている場合もあります。減点を回避するためにも、その辺りは問題の指示をよく確認してくださいね。

理由のブロックの作り方

理由のブロックは基本的には以下の構造で2~3文で作ります(理由は1文で済ませないでくださいね)。具体例は複数入れてもいいですし、まとめは必須ではありません。

・理由
 ⇒具体例/補足説明
・まとめ(言いたいコトの整理)

大事なのは、最初の一文で「理由は○○だから」とまず述べることです。具体例や補足説明はその後にします。

最初の一文が理由になっていないケースはとても多いので気を付けてくださいね。この点については下記で説明していますので、不安な人はチェックしてみてください。

具体例や説明が長くなる場合はまとめの文章があった方が分かりやすいです。逆に、理由とその根拠が端的にまとまっている場合は、無理に締めの一文を入れる必要はありません。

まとめの文章として、一行目(理由)とほとんど同じ文章を再度書いてしまう人がたまにいますが、これは避けましょう。同じ文章の繰り返しは英語では厳禁で、パラフレーズが必要だからです。詳しくは「パラフレーズすべき箇所と方法」をご覧ください。

理由のブロックの作り方には、「反対意見を提示してから反論する」方法もあります。

・反対意見
 ⇒反論
・まとめ(言いたいコトの主張)

※反論の方法は「英作文でメリットとデメリットを論じるときの注意点と反論パターン」をご覧ください。

ただし、論破したいからと言って攻撃的・感情的になり過ぎないように注意してください。一方的な意見や偏見が強いものは減点対象です。

「本論」のポイント
  • 論理が成立していること
  • 同じことを繰り返し書かないこと
  • 論点から外れる話はしないこと

理由のブロックを作ってみよう

先ほどの大学のトピックを例に理由のブロックを構築してみましょう。

例題:大学教育は全員が受けるべきだと思うか?

「思わない」の理由①
  • 理由:大学以外の場所で学ぶ方が適している分野もあるから
    • 例:料理は専門学校の方が学べるし、見習いとして就職するのもアリ
  • まとめ:分野によっては大学に行くのは非効率だから全員が行く必要はない
「思わない」の理由②
  • 理由:費用対効果がよくない人もいるから
  • 根拠:
    • 特に行く目的がない人もいる(目的もなく行くにしては学費が高い)
    • 学びたいことが見つかったときに行けばいい(その方が費用対効果がいい)
  • まとめ:学びたいタイミングは人によって違う。 一律に行く必要はない。

ポイントは、「~だから」という最初の理由の一行だけで済ませてしまわないことです。

自分としてはそれで理由になっているように思うかもしれませんが、他の人にとっては「だから?」となることが多いからです。理由を述べた後に必ず具体例補足説明を入れ、その理由に説得力を持たせましょう。

大学レベルのエッセイには根拠としてデータや引用文献が必要ですが、資格試験や中学・高校のエッセイであれば、その場で回答できる内容で十分です。具体例がなかなか思い浮かばないときは、自分視点だけではなく、様々な角度・立場から考えてみてください。

理由ブロックの書き出しの参考表現
  • First, …
  • Second, …
  • Third, …
  • Finally, …
  • The first reason is that…
  • The second reason is that…
  • One reason is that…
  • Another reason is that…

根拠の分量をちょっと増やしたい時には例を増やすのが楽です。詳しくは「自由英作文で語数稼ぎしたい時におすすめな方法」で説明していますので気になる方はチェックしてみてください。

「結論」で大事なこと

「本論」で根拠を論じたあとは、「結論」を書いて締めます。最初に宣言した自分の主張を改めて述べましょう。

ここで注意したいのは、冒頭で述べた「主張」と全く同じ構造の文章にしないことです。上でも少し触れましたが、英語では同じ表現(文章)の繰り返しは嫌われます。もちろん主張自体は変わらないので同じことを言いたいのですが、言い回しを変える必要があります。

結論の書き出しの参考表現
  • For these reasons, I agree that…
  • Therefore, I think that…
  • In conclusion, I believe that…

結論に限ったことではないですが、自分の意見・考えを伝える文章では “I think” を使う人が多いですよね。もちろん間違いではないですが、”I think” がたくさん続くと単調で印象が良くありません。”I think” を多用しがちな人は、是非助動詞をもっと活用してみてください。詳細は「英作文で “I think” を減らす方法:助動詞の活用と選ぶべき動詞」で説明しています。

英文エッセイの作成プロセス

最後に、作成のプロセスにおける注意事項です。

エッセイの作成プロセス
  1. テンプレートに当てはめる形で、エッセイの骨組みを作る
  2. ①で作成した骨組みの内容を文章化する

テンプレート(型)に沿って骨組みを作る

問いに対する主張を決めたら、まずは骨組みを作ります。いきなり文章を書き始めるのは絶対に止めましょう。

骨組み作成の目的は「書く内容の整理」です。特に、理由・根拠の整理ロジックの確認のために行います。理由を考え、具体例を挙げ、そして具体例や根拠がちゃんと説明になっているかを確認します。

骨組みといっても、箇条書きというほどしっかりしたものは不要です。寧ろ、日本語で文章を作り込んでしまうとそれに引っ張られて英訳の難易度が上がってしまいますので、細かく作り込むことは逆におすすめしません。あくまで概念の整理が目的なので、キーワードでも十分です。

慣れるまでは下くらいのレベルで作ると良いと思います

例題:大学教育は全員が受けるべきだと思うか?

【主張】思わない
【理由①】大学では学べないものもある
 →料理なら専門学校とかの方が実践的
 →学びたいコトによっては、大学は非効率
【理由②】費用対効果が悪いケースがある
 →大学の学費は高い。学びたいことが無いなら費用対効果が悪い
 →行くならやりたいことが見つかってからでいい
【結論】大学はあくまで選択肢の一つ。みんなが一律で行く必要はない

たくさん文字に起こす必要はありませんが、骨組み作成にはじっくり時間を使いましょう。英文エッセイの質を左右するのは内容(ロジック)だからです。

理由・根拠の構築で気を付けたいポイントについては、「自由英作文での減点を減らすために知っておくべきポイントと対策」で添削者の視点から詳しく解説していますので、是非チェックしてみてください。

骨組みの内容を文章化する

エッセイの骨組みが出来たら、その内容を文章化します。ここで初めて英語にすればよいです。

全体の構成と各ブロックに書く内容が決まっているので、書き始めてから「具体例が1個しか浮かばない・・・!」などと悩むことがありません。

試験などで時間制限がある場合は特に、「早く書き始めなきゃ!」と焦ると思います。でも、骨組み作成を省略しない方が結果的に早くできます。よく考えないうちに書き始めてしまうと、根拠が薄かったり、ロジックが成立していなかったりして、エッセイとしての完成度が結局低くなってしまいます。焦らず、まずはよく考えて骨組みを作りましょう。

英文エッセイを書けるようになるための勉強法

エッセイや自由英作文を書く機会はあまりないため、ほとんどの人が苦手なはずです(あなただけではないので安心してください)。上達するにはやはり練習が必要ですが、やみくもに数をこなしても効果は薄いです。

エッセイが苦手な人はまず、「文章構成力」に問題があるのか、「英訳力」に問題があるのかをはっきりさせることが大事です。対策すべき内容が全く違うからです。

また、そもそもの文法知識が足りない人は、エッセイの勉強は後回しでいいのでまずは文法固めをしましょう。エッセイはあくまで「応用」です。基礎を飛ばして「応用」の練習をしても意味がありません。焦る必要はありませんので、まずは基本的な文法知識に自信を付けましょう。

文章構成が課題の人

次のような人は、日本語で文章構成の練習をすることをおすすめします。あなたの課題は「英語力」ではなく、「論理構成」だからです。

  • エッセイ(テーマを与えられる自由英作文)で何を書いたらいいか分からない人
  • 説得力のあるエッセイが書けない人
  • ロジックなど、いわゆる「内容点」の点数が低い人

上で説明したエッセイの型(テンプレート)に沿って、書く内容を整理・構築する練習をしてみてください。構成の段階ではわざわざ英語にする必要はありません。日本語で大丈夫です。

内容やロジックで重要な点については下記で詳しく解説していますので、自信の無い方は確認してみてください。

英語化が課題の人

文章構成に問題がない人は、文法・語彙での減点を限りなく減らせばよいだけです。

苦手な文法・構文がある人はそこにフォーカスして和文英訳の勉強をしましょう(構文・文法別に学べる問題集の和文英訳をやりまくってください)。

文法的な悩みがない人は、ただ自信を付ければいいだけなので数をこなしましょう。自由英作文のトピックがたくさん載っている問題集を使ってひたすら実践です。また、このレベルの人はパラフレーズもできるようになりましょう。

トピックに関する予備知識がない人

自分自身の経験を語ればよい場合や身近なものがテーマの場合は、意見や例もスラスラ浮かんでくるでしょう。でも、入試や英検などのエッセイ課題では、時事問題など「知らないと分からない」ものがトピックになる場合もあります。テーマ自体を知らないと意見なんて出てきませんので、普段から最低限のニュースは見ておく必要があります。

一つ一つのニュースを深く知る必要はありません。どんな話なのかが分かる程度で十分です。もし余裕があれば、日ごろからそのニュースについて自分で考えてみたり、家族や友人と話してみたりしてみてください。普段からそうやって自分の中に情報を蓄積しておくと、エッセイの時に焦る必要がなくなりますよ。

時事知識を得るためだけに新聞をガッツリ読む必要はありませんが、時事が苦手で何とかしたいという方はもちろん対策してもいいと思います。英字新聞なら時事と英語をまとめて勉強できます。

更に上を目指したい人

簡単な英語でなら問題なくエッセイが書ける人で、もっと表現力を上げたい人、もっと自由に英語で表現できるようになりたいという人には、英訳力アップのトレーニングがおすすめです。

例えば、ニュース記事などの英訳・要約は時事知識の習得にもなり一石二鳥でおすすめです。方法は「英訳力を鍛えるための練習法」の中で紹介していますので良ければご覧ください。

まとめ

エッセイの基本の型と作成ポイントはクリアになったでしょうか?

  • エッセイの基本の「型」は、「導入」「本論」「結論」
  • 導入では主張を、本論では理由・根拠を、結論では改めて主張を書く
  • 主張を決めたら「型」に沿って骨組みを作り、各ブロックの内容を整理・確認する
  • 骨組みが出来たら、その内容を文章化(英語化)する

型に忠実に作成すれば、エッセイの構成は完璧です。是非この基本のテンプレートを使ってエッセイ課題に取り組んでみてください。

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