英作文のポイント:「理由の一文」の書き方と注意点

英作文では根拠に基づいて自分の意見を主張する必要があるため、「理由」を書く場面が多いですよね。

I think Japan should reform its progressive taxation system.
First, ——————. ——————. Second, ————. ———————.

みたいな構成の英作文ってとても多いように思います。

質問文(エッセイ課題の問い)や想定レベルなどにより模範解答は異なりますので、上の形でも何ら問題ない場合もあります。

でも、若干怖いんですよね。このいきなり First で特攻してくる感じ。(;_:)

理由の書き出しは First だけではありませんので、今回は理由の文章のバリエーションを少しご紹介します。

また、理由の一文を書くときに注意したいポイントもお伝えします。

  • 理由の一文がいつもワンパターンな人
  • いつもの書き方でOKなのか自信がない人

は、ぜひチェックしてみてくださいね。

INDEX

理由の書き出しパターン

First, Second, Third

理由が複数あるときは、First, Second, Third, などと列挙していくのが分かりやすいです。

Firstly, Secondly, Thirdly, でも構いません。
最後は序数ではなく Lastly や Finally を使うことも多いです。

これは学校でも教わると思いますし、普段から使われている方も多いと思います。

論理構成も分かりやすくなるためおすすめですが、これを使う時はあらかじめ理由が複数あることを明示しておくと親切です。

列挙し始める前に「複数ある」と言っておくと、「まずは・・・」「二つ目は・・・」という文章が始まってもスムーズに理解できるからです。

I think Japan should reform its taxation system for the following reasons. First, ———. —————. ————. Second, ————. —————. Third, —————. ————.

This law should be abolished for three reasons. First, ——————. ———. ————. Second, —————. ———. ————. Third, —————. —————.

I have two reasons why I think this law needs revision. First, —————. ————. Second, ————. —————. ———.

There are some reasons why I disagree with their opinion. First, ————. —————. Second, ———. ————.

There are several possible explanations. First, —————. ——————. —————. Second, —————. ————.

理由の正確な数を宣言しておかないといけないという意図ではありません。

複数だと分かればいいので、some とか several なんかでもOKです。

この「複数ある」というメッセージがなくいきなり “First” で列挙されると、正直怖いんですよね。読めば理由と言うことは分かるのですが、いきなり攻めてくるな・・・というか(笑)。

I think Japan should reform its progressive taxation system.
First, ——————. ——————. Second, ———. ——————.

致命的な問題ではありませんし、問いによっては全く問題ない場合もあると思います(例:○○と考える理由を3つ挙げなさい)。減点にもなりません。

でも、唐突感は否めません。

First, Second, などと列挙したい場合はあらかじめ「複数言いたいことがある」ことを仄めかしておくのがおすすめです。

学校の英作文だけ攻略できればいい人は気にしなくてOKですが、ライティングのレベルを上げたい人、将来的にもっと英文を書く機会が増えそうな人は、ぜひ今後意識してみてください。

私は普段仕事で英語論文を読み書きしていますが、”First” の前には基本的にはそうした情報が提示されていますよ。

The reason is that…

理由は必ず First, Second, … で列挙しないといけないという訳ではありません。

that節を用いて、「理由は○○です」と文章でそのまま書くのももちろんOKです。

「理由は○○だからです」とシンプルに書くときには以下のように書き出します。ほかにも理由があるときは、another を使って「もう一つの理由は○○です」とするといいでしょう。

  • One reason is that…
  • Another reason is that…

一つ目の理由を first reason、二つ目の理由を second reason と書いてももちろんOKです。

  • The first reason is that…
  • The second reason is that…

そのほか、形容詞を使えば「一番大きな理由は」「一番重要な理由は」「考えられる理由のひとつは」など様々な表現ができます。

  • The biggest reason is that…
  • The most important reason is that
  • A possible reason is that

序数で列挙するパターンと違い「理由は」という言葉が文章内に入っていますので、主張のすぐあとにそのまま入れてしまっても全く問題ありません。

I think Japan should reform its progressive taxation system.
One reason is that ————. —————. Another reason is that —————. ————.

explanation や cause などの提示にも使える

英作文ではほとんどが理由の文章になると思いますが、上の書き出しパターンは考えられる説明・原因などを提示するときにもよく使います。

  • A possible explanation is that…
  • The most probable explanation is that…
  • One possible cause is that…
  • The main cause is that…

根拠や考察を記述する際には便利ですので、機会があれば使ってみてください。

理由の一文のポイント

理由の文章を書く際に注意したいのが、「その一文だけを読んでも理由になっているか?」というポイントです。

もちろん細かな説明や例示は一文ではできないため続く文章ですればよいのですが、一番最初の「理由は○○だからです」という文章の内容は、少なくとも理由の説明になっていないといけません。

「当たり前じゃん・・・」と思われるかもしれませんが、英作文の添削をしていると、理由として成立していない文章を書いている人はすごくたくさんいます

理由になっていない例

理由の一文目が理由になっていない例をいくつか見てみましょう。

例1

理由の一文目が理由として成立していない例(日本語の論理展開のまま英作してしまうパターン)

【主張】表現の規制はダメ

【理由1】
言葉の暴力により多くの人が苦しんでいる。
でも、問題は「単語」そのものではなく、それを使う人の「悪意」。
ある言葉を禁止しても、別の言葉に悪意を込めて使うようになるだけ。
言葉を規制したところで何も問題は解決しないし、何が「悪」で何が「善」かは、法律が決めるべきことではない。

上の例では理由は4つの文章で説明していますが、全部読めばちゃんと理由になっていますよね。日本語では言いたいことを最後に言うため、この構造で何ら問題ありません。

問題は、これをそのまま英語にしてしまうことです。

この4行をそのまま英語にしてしまうと、理由の一行目は以下のようになってしまいます。

First, words can severely hurt others. However, ….

二文目以降で However として論理を展開していくため、最終的には「言葉を規制したところで何も問題は解決しない」という論点に行きつくのですが、最初の文章(First, words can severely hurt others.)だけでは全く説明になっていないのは分かるでしょうか?

理由の文章は、”First, …” の一文だけを読んでも成立していないといけません。

英語では日本語とは論理展開が異なりますので、一番最後の文章に言いたいことを持ってくるのではなく、下の例のように一番最初の文章で説明します。

英語の論理展開に直した例

【主張】表現の規制はダメ

【理由1】
言葉を規制したところで何も問題は解決しないからだ。
言葉の暴力により多くの人が苦しんでいる。
でも、問題は「単語」そのものではなく、それを使う人の「悪意」。
ある言葉を禁止しても、別の言葉に悪意を込めて使うようになるだけ。
何が「悪」で何が「善」かは、法律が決めるべきことではない。

上の構造にすれば最初の文章は以下のようになります。

The reason is that restricting the words you can use cannot solve any fundamental problems.

もちろん補足説明はこの後に必要ですが、一先ずこの一文だけで理由としては成立していますよね。

理由の最初の一文だけでちゃんと成立するかどうかをチェックしてみてください。

根拠を日本語で作成するのは問題ありませんが、それをそのまま英語に訳すと論理展開がおかしくなってしまいますので注意してくださいね。

例2

次の例の理由も日本語の展開としては全く問題ありませんが、これをそのまま英語に訳してしまうと理由の一文目が理由としては弱くなります(具体例に近くなる)。

理由の一文目が理由として成立していない例(日本語の論理展開のまま英作してしまうパターン)

【主張】授業はオンラインではなくリアルな教室で行うべきだ。

【理由1】
小さな画像では生徒の反応や感情、理解度が分かり辛い。
それに、隣の生徒と相談したり、複数人で議論したりするのも簡単にはできない。
結局、オンライン授業では動画を流したり、スライドを見せたり、先生から生徒への一方通行の授業になりやすい
インタラクティブなやりとりが無くなると生徒は受動的になり、授業もつまらなくなる。

「理由の文章全体を読んで理解してもらう」というのは日本語的な発想です。

日本語ではそれで全く問題ないのですが、英語では考え方が違うため、それだと「とても分かり辛い文章」とみなされてしまいます。

英語では、理由の一文目はその一文だけを読んでも理由として成立する文章でないといけません。

英語の論理展開に直した例

【主張】授業はオンラインではなくリアルな教室で行うべきだ。

【理由1】
オンライン授業だと先生から生徒への一方通行の授業になりやすいからだ。
小さな画像では生徒の反応や感情、理解度が分かり辛い。
それに、隣の生徒と相談したり、複数人で議論したりするのも簡単にはできない。
だから、動画を流したり、スライドを見せたりする授業スタイルが中心となる。
インタラクティブなやり取りが無くなれば生徒は受動的になるし、授業もつまらなくなる。

日本語と英語では論理展開が異なりますので、日本語で内容を考える場合はそのままの流れで書いてしまわないよう気を付けてくださいね。

「まず理由を書き、その次に例や補足を足す」というイメージで構築すると失敗が少ないと思います。

例3

イメージは伝わってきたかと思いますが、念のためもう一つ見ておきましょう。

理由の一文目が理由として成立していない例(日本語の論理展開のまま英作してしまうパターン)

【主張】義務教育は日本語と英語の二か国語で行うべきだ。

【理由1】
英語は世界の共通語で、これからの世代にはますます必要。
でも、現在の英語教育では英語が全然使えるレベルにならない。
英語の授業を増やすだけでは足りないから、それ以外の場面でも英語の使用率を上げ、二か国語教育にした方がいい。

英語の論理展開に直した例

【主張】義務教育は日本語と英語の二か国語で行うべきだ。

【理由1】
英語の授業を増やすだけでは実用的な英語力は身に付かないからだ。
英語は世界の共通語で、これからの世代にはますます必要。
でも、現在の英語教育では英語が全然使えるレベルにならない。
学校での生活自体を二か国語にして、強制的に学ばざるを得ない環境を作るのが有効だと思う。

理由を説明するとき、多くの人は具体例や補足も含めた全体で考えていると思います。First の一文単体では成立していなくても、「その次まで読めば分かるでしょ」という感覚の人もいるかもしれません。

でも、英語ではそういう考え方はしません。

まずは結論を先に述べ、その後で足らないなら説明をするというのが自然の流れです。

そのため、「理由は○○です」の一文単体でちゃんと理由を述べていることが大事です。もちろん、その後に具体例や説明をするのも必要ですけどね。

英語で書くときは、理由の一文目を丁寧に考えてみてくださいね。

まとめ

英作文で理由の文章を書くときに気を付けたいポイントです。

  1. 理由を First, Second, … などと複数列挙する際は、予め「理由は複数あること」を明記しておくと親切。
    • I have two reasons why I think ————.
    • I think ——— for the following reasons.
    • There are some reasons why I think ————.
  1. First, Second, … と列挙する以外にも、「理由は○○です」という言い方も便利。
    • One reason is that…
    • The first reason is that…
    • The biggest reason is that…
  1. 理由の一文目は、その文章単体で理由になっていることが大事

今まであまり意識したことが無かった方は、ぜひ今後の英作文で気を付けてみてくださいね。

理由の一文目がバシッと書けているととても分かりやすいですし、全体のレベルもぐっと上がりますよ。^^

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