論文でよく見る favor と派生語 favorable/favorably の意味&例文

「お気に入りの」という言う意味の形容詞「favorite」は中学校で習う基本英単語ですが、その基となる動詞の「favor」や、もう一つの形容詞「favorable」も、実用では頻繁に使われるメジャーな単語です。

私も論文を読み始めるようになった頃に頻繁に遭遇し、身近な単語になりました。

研究とは全然関係ない文脈でも用いる一般的な単語ですが、そういう文脈での例文しか見たことがないと、使う場面も限られてきてしまいますよね。結果の描写に使っていい単語だなんて、最初は発想が湧かない人もいると思います(←私)。

そこで今回は、論文でよく見る favor とその派生語の例文を用意しました。

結果の記述で活躍する単語たちです。今まで「favorable = 好意的な」と覚えていた人にとっては、使える文脈が少し広がるんじゃないかなと思います。

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論文でよく見る favor とその派生語

「favorite」は論文では見ませんので、本稿では以下の4つを見ていきます。

  • 動詞:favor
  • 前置詞句:in favor of
  • 形容詞:favorable
  • 副詞:favorably

形容詞の「favorable」しか馴染みの無かった人は、他の派生語も一緒に覚えてしまいましょう。

イギリス英語では u が入るためスペルが変わります ⇒「favour」「favourable」「favourably」

動詞:favor

「favor」は、「(~の方)を好む、優遇する、支持する」という意味の動詞です。

下の例文にあるように、論文では何かと比較して結果が”良かった”場合によく使われます。具体的に何がどう「良かった」のかが分からないという点では unspecific ですが、だから便利という側面もあると思います。

These results favored combination therapy over monotherapy.
これらの結果は、単剤療法よりも併用療法を支持するものでした。

Younger participants more favored this service than older participants.
若い参加者は、年配の参加者よりもこのサービスに好意的でした。

The study showed results favoring this therapy over conventional treatment.
この研究では、従来の治療法よりもこの治療法を支持する結果が示された。

「favor」には名詞もあり、「Can you do me a favor? (お願いがあるんですが…)」などでお馴染みですが、論文では使いませんので単体での使用例は割愛しますね。名詞については下で前置詞句での使用例を紹介します。

前置詞句:in favor of

名詞の「favor」は、「in favor of」の形で形容詞的、副詞的に用います。

in favor of:~を支持して、~を賛成して、~の方を好んで、~に有利になる

「~に賛成して」「~の方を好んで」という文脈では馴染みのある方も多いかもしれませんが、「favor」と同様、良好な結果の形容としても用いられます。

These scores were in favor of the new technique over the previous one.
これらのスコアは、従来の技術よりも新しい技術を支持するものであった。

To date, several studies have reported results in favor of this method.
現在までに、いくつかの研究でこの方法を支持する結果が報告されています。

The majority of participants were in favor of the program.
参加者の大多数はプログラムに好意的だった。

アカデミックライティングの原則から考えると、「favor」や後述する「favorable」一語で表現できるものをわざわざ3語(in favor of)で表現するのは非経済的なため、自分で書く機会はほとんどないかもしれません。ただこのフレーズも結構見かけますので、知識としては持っていて損は無いと思います。

形容詞:favorable

形容詞の「favorable」には、「好都合な、有利な、賛成の、好ましい、好意的な」という意味があります。

これも、「好ましい」「好意的な」という意味では普段使いされている方も多いかもしれません。

結果の描写では、positive と同じように「良さげな結果」の形容として使われることが多いです。統計学的有意差や意義のある差があることまで含意している訳ではないため主観的・抽象的で、解釈に注意は必要です。

Additionally, favorable results were consistently obtained in sensitivity analyses.
また、感度分析においても一貫して良好な結果が得られている。

The program had a favorable impact on sleep quality.
このプログラムは、睡眠の質にも良い影響を与えました。

The customers’ opinions were generally favorable.
お客様の声は概ね好評でした。

「favorable」の反義語は「unfavorable(=好ましくない、不都合な、好意的でない)」です。

こちらもよく見かけますし、一語で否定の形容ができるため便利です。

These scores indicate unfavorable results of this program.
このスコアは、このプログラムの結果が芳しくないことを示しています。

The results were unfavorable in terms of cost-effectiveness.
費用対効果の面では不利な結果でした。

Unfavorable outcomes were obtained in this study.
この研究では、好ましくない結果が得られています。

副詞:favorably

最後は副詞の「favorably」です。「好意的に、有利に」という意味です。

これも「positively」と同じように良好な(好ましい)結果・影響の説明に使えます。

The presence of this factor favorably influenced the outcomes.
この要因の存在は、結果に好影響を与えた。

Most participants favorably responded to this question.
この質問に対しては、ほとんどの参加者が好意的な回答をしています。

おわりに

「favor」「in favor of」「favorable」「favorably」の例文をご紹介しました。

「賛成」「好意的な」という意味ではお馴染みですが、研究結果の形容として論文でもよく見る単語たちです。

是非、使えそうな文脈があれば使ってみてください。

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