覚えておきたい、ライティングでよく使う不可算名詞

英語で名詞を使うときって、冠詞や単複など様々なことを考えないといけないから厄介ですよね。

ただ、実用で使う分には全てを完璧にマスターする必要はありません。

理論的な説明をしているように見えるサイトや書籍も見かけますが、「無理やりだな…」「後付けだろ…」と感じたことがある人は私だけではないと思います。

でも、日本語にはない言語ルールなので、直観的に理解できなくて当然なんです。

そもそも変化する「言語」をシステマティックに説明しようとすること自体が無謀なので、全部を理屈で理解しようとするのは止めましょう。

私は統語論という正にこのルール化を目指す学問を学んでいたので、当時の知り合いからは「どの口が言ってるんだ!」って突っ込まれそうですけどね。笑

どこかでは暗記するしかないところもあるし、逆に言えば必要なものだけ使えるようにしておけばいいと思うんです。

今回は、英作文で気を付けて欲しい『不可算名詞』に注目したいと思います。

その単語が不可算名詞かどうかの知識がないと、many/much や few/little の判断が出来ませんし、間違って複数形にしてしまったり不定冠詞を付けてしまったりします。

致命的なミスではありませんし減点もわずかだとは思いますが、正しく使えた方が嬉しいですよね。

エッセイや英作文でよく登場するものや使う可能性がありそうなものをご紹介しますので、エッセイでの減点を少しでも減らしたいなと思う方は一度チェックしてみてください。

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不可算名詞 = 数えられない名詞

残念ながら不可算名詞かどうかを初見で判別する方法はありません。

「不可算名詞 = 数えられない名詞」ですが、数えようと思えば数えられるものは絶対ありますので、無理に理屈づけようとしないのがおすすめです。笑

とはいえいくつかグループは存在しますので、仲間っぽいものはまとめて覚えてしまうといいでしょう。

  • 液体・気体・原料(物質名詞) (例:water, milk, gas)
  • 細かい粒子状のもの(物質名詞)(例:sand, rice, sugar)
  • 自然現象・エネルギー(物質名詞)(例:snow, rain, light, sunshine, energy)
  • 感情・性質、動作、概念(抽象名詞)(例:happiness, stress, information)
  • 集合的(概念的)に捉えるもの(例:food, money, news)

などなど。

ただ、上記に関しては明確な定義はなく、「○○なのに可算名詞なの?」と思うものや、その逆で「○○なのに不可算名詞なの?」というものも出てくると思います。

名詞によっては、意味によって可算名詞と不可算名詞の両方の用法があるものもあります。

すべてを暗記する必要はありませんので、使用頻度が高いものだけ都度覚えていくようにするのがおすすめです。

不可算名詞を使う場合の注意点

不可算名詞の場合、冠詞の付け方や形容詞の選択に注意が必要になります。

文法的なルールはご存じの方が多いと思いますので、軽くまとめるだけにしますね。

  • 不定冠詞(a)は付かない
  • 定冠詞の the は付けることができる(常に付けてよいということではなく、不要の場合もあるため注意)
  • 複数形に変形しない
  • 「たくさんの」と形容する場合は、many ではなく much を使う
  • 「少しの」と形容する場合は、few ではなく little を使う

形容の方法は他にもありますが、余計なものを覚える必要はありません。

ライティングで使う分には much, little, some, a lot of くらいで十分事足ります。

英作文で使う可能性の高い不可算名詞

では早速、覚えておきたい不可算名詞を見ていきましょう。

物質・エネルギー系

物質名詞、とくにエネルギー系の名詞は英作文でも使う機会が多いためぜひ覚えておきましょう。

英作文では環境問題は常に大人気(?)のトピックなので、課題や試験での出題の可能性も高いですよ。

ライティングで使いそうな不可算名詞
  • water:水
  • air:空気
  • wood:木材
  • paper:紙
  • electricity:電気
  • gas:エネルギー
  • garbage:くず、ごみ

She needs to drink a lot of water to avoid dehydration.
脱水症状にならないよう、水をたくさん飲む必要がある。

There seems to be little air in these tires.
このタイヤにはほとんど空気が入っていないようだ。

These products are made of wood.
これらの製品は木でできています。

Our office consumes too much paper.
私たちのオフィスは紙を使い過ぎています。

paper は、「新聞」や「論文」などの意味の場合は可算名詞になります。あまり使わないとは思いますが、見かけた場合は「ただの紙ではない」ということを思い出してくださいね。

This motor generates electricity twice as much as the previous one.
このモーターは、従来の2倍の電力を発生させます。

There is still gas in this cylinder.
このボンベにはガスがまだ残っている。

This task takes up plenty of energy.
この作業をするには多大なエネルギーが必要だ。

There was a pile of garbage on the road after the storm.
嵐の後、道路にはゴミの山があった。

抽象的なもの:情報・概念

抽象名詞はたくさんありますが、概念系は特によく使うと思います。

「アドバイス」や「証拠」なんて数えられるイメージしかないですが(笑)、不可算名詞なので要注意です。

ライティングで使いそうな不可算名詞
  • advice:アドバイス
  • information:情報
  • evidence:証拠
  • knowledge:知識
  • permission:許可
  • motivation:モチベーション
  • progress:進歩、進展

He gave me some good advice.
彼は良いアドバイスをくれた。

advice は “many advices” や “an advice” などとしてしまうケースをよく目にしますので気を付けてくださいね。

大抵は冠詞無しで使えば事足りると思いますが、複数感を伝えたい時は “some” を使うと便利です。

逆に「1つ」を強調したい時は “a piece of advice” などと表現することもできますが、個人的には単純に advice と無冠詞で使う方がスッキリしておすすめです。

This brochure is full of information.
このパンフレットには情報が満載です。

There is little evidence of its safety.
安全性を示す証拠はほとんどない。

He has sufficient knowledge and skills to carry accomplish this project.
彼はこのプロジェクトを遂行するのに十分な知識と技術を有しています。

知識豊富なことを言いたい場合に “many knowledges” と複数形にしたくなってしまう気持ちは分かりますが、不可算名詞のため “a lot of knowledge” にするのが正解です。

ただし、”a wide knowledge of” “a basic knowledge of” などと可算名詞として名詞句を作ることもありますので、もし遭遇してもパニックにならないでくださいね。

We should ask for permission to carry out this plan.
この計画を実行するために、許可を得る必要があります。

「許可を得る」という表現もよく使いますが、”a permission” としてしまう人が多いので気を付けましょう。

She had little motivation for this activity in the first place.
そもそも彼女には、この活動に対するモチベーションがほとんどなかった。

There has been much progress in people’s understanding of this problem.
この問題に対する人々の理解は、かなり進みました。

抽象的なもの:仕事

work や homework は英作文やエッセイでよく使いますね。

不可算名詞ということは既にご存じの方が多いかもしれませんが、油断するとつい “many homeworks” などとしてしまう人も多いようなので念のためピックアップしました。

ライティングで使いそうな不可算名詞
  • homework:宿題
  • work:仕事
  • research:調査
  • business:業界、ビジネス

I must finish a mountain of homework during the winter break.
冬休みの間に山のような宿題を終わらせなければならない。

My mother sometimes brings home some work to do.
母は時々、家に仕事を持ち帰ることがあります。

It requires much research to elucidate the mechanism underlying this phenomenon.
この現象のメカニズムを解明するためには、多くの研究が必要です。

I bought some books for business.
ビジネス用の本を何冊か買いました。

business は「ビジネス」という意味では不可算名詞なので無冠詞で使えますが、事業や企業という意味では可算名詞になり “businesses” という形も存在しますので、混乱しないようにしてください。

「仕事で○○する」という文脈では、無冠詞で “on business” や “for business” とすればいいんだなと覚えておくと便利だと思います。

抽象的なもの:感情・状態

感情の名詞は分かりやすいですしあまり間違える人もいませんが、ついつい複数形にしてしまいそうなものを挙げておきますね。

ライティングで使いそうな不可算名詞
  • courage:勇気
  • stress:ストレス
  • difficulty:困難

It would have taken a lot of courage to offer help.
助けを申し出るには相当な勇気が必要だっただろう。

Migraine can be caused by too much stress.
偏頭痛は、ストレスが多すぎると起こることがあります。

I have difficulty adjusting to the new company rule.
新しい会社のルールになかなか馴染めません。

「~するのが困難だ」というときに “have difficulty (in) —ing” を使いますよね。difficulty は概念を表す抽象名詞のため、have a difficulty などとせず、無冠詞で使います。

ただし difficultyは「難題・障害」という意味では可算名詞のため、difficulties と複数形になっている形を見ることがあるかもしれません。

障害も困難も似たようなものなので区別し辛いですが、”have difficulty in” をはじめ、「困難」で意味的に成立する場合は基本的には無冠詞で使うようにしておけば大丈夫です。

集合的に捉えるもの

最後に間違えやすい集合名詞をいくつか紹介します。

ライティングで使いそうな不可算名詞
  • luggage/baggage:手荷物
  • architecture:建築物
  • furniture:家具
  • literature:文献、文学作品
  • equipment:設備、機器

There was a lot of baggage left in the room.
部屋にはたくさんの荷物が残されていた。

bag や suitcase はもちろん可算名詞ですし、小包・荷物(package)も可算名詞ですが、「手荷物」の luggage と baggage は不可算名詞になります。1個、2個、、、と数えるのではなく、荷物全体を指すイメージです。

つい “many luggages” としたくなりますが、変形してしまわないよう気を付けてくださいね。

I like classical architecture in Europe.
ヨーロッパの古典的な建築物が好きです。

We need to replace some furniture when moving to a new office.
事務所移転に伴い、家具の入れ替えが必要です。

Previous literature suggested that this treatment was effective in specific subgroups of patients.
これまでの文献では、この治療法が特定のサブグループの患者さんに有効であることが示唆されていました。

The room is supplied with audiovisual equipment.
部屋にはAV機器を完備しています。

おわりに

英作文やエッセイで使う可能性の高い『不可算名詞』を紹介しました。

明確な定義はないものの大枠のグループはありますので、似たような概念・性質の単語はまとめて確認してみるといいかもしれません。

(中には例外のものもあるかもしれませんので、ここに挙げていない単語については必ず辞書で確認してくださいね!)

不可算名詞の場合は不定冠詞が付かなかったり複数形にしてはいけなかったりと細かなルールがあります。

文章の本質(意味)に左右するミスではないため優先度は低いですが、ライティングのレベルを上げたい方はぜひ今回紹介した『不可算名詞』は覚えてしまってください。

ライティングだけではなく文法問題で出てくる場合もあるため、覚えておくとお得ですよ。^^

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