単語帳や辞書に必ず載っている発音記号。
「変な記号があるなー」くらいの認識で、スルーしている人もいるのではないでしょうか?
実際、「この単語どうやって読むの?」という質問をよくもらいますが、発音記号が読めればそんな質問は生じません。
せっかく単語を覚えるのに、発音を無視して覚えるのはすごくもったいないです。
そこで今回は、発音記号を覚えるメリットをお伝えします。
発音記号は早い段階で覚えてしまった方が、その後の学習効率が上がるためおすすめですよ!
発音記号とは

発音記号とはその名の通り、単語の読み方を示す記号です。
辞書や単語帳の見出し語の近くにある、[ ] や / / で書いてあるあの記号です。

例えば、”vocabulary” の発音記号は /voukǽbjəlèri/ です。
各記号の音が分かれば、その単語をどう読めばよいかが分かります。
「この単語はどうやって読むの?」という質問は無くなる訳です。
発音記号を知っておくメリット
大きなメリットとしては、リスニングやスピーキングの勉強をするときにその単語を覚え直さなくていいことです。
それに、辞書や単語帳に必ず「音声データ」を求めなくてもよくなります。
音を知っていれば、リスニングで聞き取れる
知らない単語であれば聞いても分からないのは当然ですが、「知ってる単語なのに聞き取れない」のはもったいないですよね。
単語を覚えるときに発音を無視して形と意味だけ覚えてしまうと、聞いてもその単語だと判別できません。
聞き取れるようになるためには、その単語をまた覚え直さなくてはいけません。
同じ単語を二度も学ぶのは非効率です。ぜひ、単語を覚えるときには初めから発音もセットで覚えましょう。
リスニングの勉強には自分で発音することも必須なので、覚えて損にはなりませんよ。^^


音を知っていれば、スピーキングで使える
発音を知っていればスピーキングでその単語を使うことができます。
一方、読み方を知らない単語だったらそもそもスピーキングで使おうと思わないですよね。使ったとしても、発音が違えば伝わりません。
スピーキングの勉強のときにわざわざ発音を学び直さなければいけないのは、やっぱり非効率です。
音読の効果が高まる
音読による英語学習効果は高いですが、それには「正しい発音」が前提になっています。
コロケーションやリズムを体に馴染ませる上で、発音はとても大事です。超カタカナ英語で音読していては、いくら頑張っても音読のメリットは得られません。
音読のメリットを最大限享受するためにも、単語は正しい発音で覚えましょう。


音を聞かなくても発音が分かる
発音記号が分かれば、実際に聞かなくてもどういう「音」か分かります。
もちろん実際の音を聞くことは大事ですし、必要ならいつでも聞いてください。
ただ、「聞かないと分からない」というのは英語を学習する上で不便です。
それに、耳だけが頼りだと本当に理解できているか怪しいです。
「本当は違うのに聞き分け出来ないために同じだと思っている音」もあるかもしれないからです。
また、理論を理解していないと、いつまでも「ぽい」発音しかできなくてなかなか自信が付きません。
「発音記号を基に理論的に発音がどうなっているかを理解した上で、実際に音声データで聞いて確認する」ことが大事です。
発音記号を学ぶ


発音記号はそんなに多くありません。ざっとこれくらいです。
母音 | ɪ i e æ ə ʊ u ɚ ɒ ɝ ʌ iː ɑː uː ɔː ɜː eɪ aɪ ɔɪ aʊ əʊ oʊ ɪə eə ʊə |
子音 | b p d t g k v f ð θ z s ʒ ʃ dʒ tʃ h l r j w m n ŋ |
完ぺきな発音を目指そうとすると時間がかかるかもしれませんが、声の出し方や音の違いを理解するだけであれば数日で十分学べます。
発音記号を学ぶ価値については上で力説しましたが、のびのび勉強するモノでもありません。



是非、短期集中で学びましょう!
発音記号が学べるサイト
発音記号を解説しているウェブサイトはたくさんあります。
音声も聞きながら勉強できるので、気に入ったサイトがあればそこでガッツリ覚えてしまいましょう。
二つだけ、おすすめサイトをご紹介しますね。
発音記号の読み方と覚え方|英語の友
旺文社の「英語の友」というウェブアプリのサイトです。(※アプリのダウンロードは不要で、上のリンクから無料で見られます。)
各発音記号について、音の出し方を簡単な日本語で説明してくれています。
口の中の構造や舌の位置などの細かい解説は無いですがイメージは出来ると思います。また、その音を含む単語の音声が聞けます。
母音・子音網羅的に収載されているので、一通り学習できますよ。
英語の発音と発音記号|東京大学教養学部英語部会
東大教養学部英語部会のサイトです。真面目感が漂っていて良きです。笑
音韻学や音声学に興味があって、理論的に学びたい方は一度ご覧になってみてください(※内容は初心者向けですのでご安心ください)。
「母音の開口度と舌の高くなる位置」では開口度と舌の位置で母音がプロットされており、音が聞けます。面白いし練習にいいですよ。
発音記号が学べるおすすめ書籍
私は大学でも若干専門的な授業を取りましたが、発音記号自体をしっかり学んだのは高校生の時で、書籍で勉強しました。
アプリやウェブなど好きな媒体で学べばいいのですが、体系的にまとまった本が一冊あると便利かもしれません。(理解が定着するまでは見直したりしたいと思いますので。)
発音記号に特化した参考書はあまりないですが、主要なものを2冊ご紹介しますね。
英語「発音記号」の鬼50講
網羅的に発音記号が学べるもので、イチオシです。個人的に、筆者の強調する発音記号の重要性には非常に共感します。
図などを使って発音の仕方を説明しているので、言葉だけの説明より断然イメージしやすいと思います。
もちろん音声データはダウンロードでき、音での確認・練習可ですよ。
英語発音記号「超」入門
これはちょっと変わっていて、「口の中の構造」や「舌の位置」といった構造的な発音の説明はしていません。
「日本語で○○という時の○の感じ!」みたいな感じで、とにかくイメージしやすいように説明しています。
昔の私だったらなんか邪道だな…と思っていい印象は持たなかったと思うのですが、今の私的には「分かりやすいのが一番」なので、むしろ大賛成です。
舌の位置とか言われてしまうと難しく考え過ぎてしまう真面目な方にこそおすすめです。
おわりに
発音記号は早いうちにマスターしておきましょう。学習効率が上がるからです。
今はネットでいくらでも音声が手に入るので、「分からなかったらすぐ聞く」というスタンスの方も多いのかもしれません。
でも、発音記号を理論的に理解することも大事です。耳だけに頼るのではなく頭でも理解しておいた方が、再現性も高まると思います。
発音記号を今までスルーしてきた方は、是非この機会に学んでみてください。