However は副詞。However で文章は繋げない。

逆接の however は英作文でも頻繁に使う便利な単語ですよね。

ところで、however と but の違いはご存じですか?

however は but よりも真面目な感じがする

こんなフワッとした認識の人も多いと思います(私も学生の頃はこんな感じで、気にしたこともありませんでした)。

ただ、however と but は品詞が違うため、文法的に使い方が異なります

英作文の添削をしていると however を接続詞として使っているケースを度々目にしますが、文法的にアウトなのでこれは減点になってしまいます・・・。

品詞さえ理解していれば防げる減点です。非常にもったいないので、ぜひこの機会に違いを認識して however の正しい使い方を整理してみてください。^^

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However は副詞

皆さんお馴染みの but は等位接続詞です。等位接続詞は、節と節を繋ぐことができます。

  • He studied very hard, but he couldn’t pass the exam.
    彼は一生懸命勉強したが、試験には合格できなかった。
  • It was a good experience, but I’ll never do it again.
    いい経験にはなったが、もう二度とやらないだろう。
  • I used to play the guitar, but I don’t play it anymore.
    昔はギターを弾いていましたが、今は弾いていません。

一方、however は副詞です。接続副詞としている辞書もありますが、要は副詞です。

そのため、節と節を繋ぐことは出来ません。

  • He studied very hard, however, he couldn’t pass the exam.
    彼は一生懸命勉強したが、試験には合格できなかった。
  • It was a good experience, however, I’ll never do it again.
    いい経験にはなったが、もう二度とやらないだろう。
  • I used to play the guitar, however, I don’t play it anymore.
    昔はギターを弾いていましたが、今は弾いていません。

英作文ではこのような使い方をしている however をよく見ますが、これは正しい使い方ではないんです。

however の前後を見ると、どちらも独立する節ですよね。独立する節を接続できるのは等位接続詞で、副詞ではありません。

勘違いしていた人はぜひ覚えて帰ってくださいね

However を文中で見るのは何故?

  • He studied very hard, however, he couldn’t pass the exam.
    彼は一生懸命勉強したが、試験には合格できなかった。

上の文章のように however を文中で使える気がしてしまうのは、実際に文中で however が使われている文を見たことがあるからだと思います。

私も学生の頃はこれが理由で勘違いしていました。

紛らわしくて申し訳ないのですが、however は決して文頭でしか使えないものではありません。副詞なので、文中で使うことももちろんできます。

ただ、文中で使われているだけであって、節と節とを接続している訳ではない点がポイントです。

例文を見た方が早いので下の文章をご覧ください。

  • The results of the exam, however, did not improve despite the hard work.
    しかし、懸命に努力したものの、試験の結果は芳しくなかった。
  • People’s awareness of this disease is, however, significantly low compared with other conditions.
    しかし、この病気に対する人々の認知度は、他の病気と比較して著しく低いのが現状です。

確かに文中にコンマで挿入して使っていますが、however の前後は「独立した節ではない」ですよね?

あくまで一つの節の中で使っているだけで、節と節とを繋いでいる訳ではありません。だから問題無いんですね。

文構造を見れば違いは明らかなのですが、視覚的に「文中で使える」というイメージだけ残っていると等位接続詞的な誤った使い方をしてしまう可能性があります(←私のことです。笑)。

今まで意識したことが無かった人はぜひこの点に注目してみてください。

ちなみに、上のように文中で however を使う時は両端にコンマが必要です。コンマの用法は下記で詳しく整理していますので、興味のある方はチェックしてみてください。

However は基本的に文頭で使う

先ほど見たように、however の文中での使用は文法的には問題ありません。しかし、あえて文中に入れないといけない状況はほとんどないはずです。

途中に入れて無駄にごちゃごちゃさせるより、文頭に持ってくる方がスッキリします。文頭で明らかに「逆接だ」ということが伝えられますしね。

英作文で however を使う時は、基本的に文頭で使うようにするのがおすすめです。

ちなみに、逆接の文章の文頭で等位接続詞の but を使用する人がいますが、英作文では避けましょう。実用では文頭で but は使用されますが、英作文では「等位接続詞の文頭使用は許容しない」というルールに従って採点されるケースが多いからです。

この点については下記で説明していますので、but がダメな理由が知りたい方はこちらをご覧ください。

セミコロンに続けて however を使う場合も多い

However の文章で言いたいことは、それまで述べていたことを否定したり、反論したりする内容ですよね。

だから、前の文章との関連はとても強いはずです。

関連する二文は、ピリオドで分離するのではなくセミコロンで接続することができます。セミコロンに続けて however の節を続ける使い方もメジャーですので、ぜひ使ってみてください。

  • He studied twice as hard as usual; however, he couldn’t get his target score on the exam.
    彼はいつもの二倍は勉強したが、目標の点数は取れなかった。
  • The disease burden is significant; however, people’s awareness of this disease is surprisingly low.
    この病気の負担は大きいのですが、人々の認知度は驚くほど低いのです。

ただし、セミコロンで繋ぐとどうしても一文が長くなってしまいます。アカデミックな文章では文章は短い方が望ましいので、ピリオドで切った方がいい時は潔く切ってくださいね。

この辺りのバランスはとても難しく、私もネイティブの校正では未だにたくさん指摘されます。このバランス感覚は非母語話者には一生身に付く気がしませんが(笑)、何事も意識することが大事だと思いますので、根気強くいきましょう。

おわりに

However を but の代替として考えていると、文法的に誤った使い方をしてしまう可能性があります。

両者は共に意味的には「逆接」で共通しますが、品詞は「副詞」と「等位接続詞」で全く異なります。

ぜひ両者の違いを意識して、文法的に正しい使い方をしてあげましょう。

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