Data availability statement の書き方・文例

研究の透明性・信頼性を高めるため、多くの出版社では研究データの公開・共有を推奨しています。そのため、論文を投稿する際に「Data availability statement」を選択・記述しなければならないケースも増えてきました。

回答の選択肢としては限られているため適切なものを選べばよいだけなのですが、初めてだと戸惑うかもしれません(私も最初はビクビクしながら準備しました)。

本稿では、Springer や Wiley など大手出版社が提示している文例を基に『Data availability statement』のサンプル文言(テンプレート)をまとめましたので、参考にして頂ければ幸いです。

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Data sharing policy と Data availability statement について

Data sharing policy

研究データの共有が推奨されているのは、研究の透明性を高めるためです。データセットを共有することにより再現性の確認が可能になりますし、何より研究の信頼性が高まります。

医学系のジャーナルではまだデータの公開・共有は「推奨」レベルのものが多い気がしますが、分野やジャーナルによっては「必須」の所もあるようです。

Data availability statement

研究データの共有・公開の有無について記載する文言が「Data availability statment」です。要は、「研究データは共有されているのか否か」「共有されている場合はどこで入手可能なのか」などを説明した文章です。

上述した通り、データ共有やステートメントの記載自体は「推奨レベル」のジャーナルも多くあります。

“Authors are encouraged to include a statement on data availability…” などとある場合はあくまで「推奨」です。必ずしもステートメントを論文に入れる必要はありません。

私は最低限の要件を満たせばいいと思っているので、推奨レベルの場合は基本的に書きません。笑

推奨か義務かなどはジャーナルの投稿規定に必ず書かれていますので、よく確認してくださいね。

選択肢

データ共有の選択肢は限られています。大きくは以下のどれかに当てはまると思います。

共有する場合
  1. Data repository に入れてオンラインで公開する
  2. スプレッドシートなどで Supplementary File として共有する
  3. 理由があり「公開」はしないが、条件付きで共有は可能とする
共有しない場合
  1. そもそもデータの分析は行っていないため、共有するものが無い(レビュー系の論文など)

私は②③④は経験がありますが、①のデータのデポジットはしたことがありません。実経験が無くて申し訳ないです…

ちなみに、「データの公開をしない」と選択したからと言って論文の採否に影響する訳ではありません(データ公開が「必須」のジャーナルの場合は別)。

商業的・倫理的・法的な理由などで公開できない場合は当然ありますし、これに対してはどの出版社も理解しています。理由があって公開が難しい場合に無理して方法を探す必要はありません。素直にデータの公開は出来ない旨を理由と共に記載すれば問題ありません。

私の経験でも個人情報や契約上の理由で公開できないことが結構ありましたが、そのことで編集部から何か詰められたことはありませんし、それが理由でリジェクトになったこともありません。

上記の主なパターン別に、以下でサンプル文言をご紹介しますね。

【パターン別】Data availability statement のサンプル文言

①「Data repository に入れてオンラインで公開する」場合

The datasets generated and/or analyzed during the current study are available in the [データリポジトリの名前], at [リポジトリのURL].

The data that support the findings of this study are openly available in [データリポジトリの名前] at http://doi.org/[doi], reference number [参照番号].

②「スプレッドシートなどで Supplementary File として共有する」場合

All data generated or analyzed during this study are included in this published article and its supplementary information files.

The data that supports the findings of this study are available in the supplementary material of this article.

③「理由があり『公開』はしないが、条件付きで共有は可能とする」場合

私の経験では明確な理由は無くても③にしてしまう場合が多く、この文言の使用率が一番高いです(あまりいいことではないと思いますが…)。

The datasets generated and/or analyzed during the current study are available from the corresponding author on reasonable request.

上も Springer のサンプル文言にあるものなので正当に認められるものだと思いますが、理由が書ける場合はもちろん下のように書いた方が良いと思います。

The datasets generated and/or analyzed during the current study are not publicly available due to [理由(例:a license agreement with A / contract with A)] but are available from the corresponding author on reasonable request.

The data that support the findings of this study are available on request from the corresponding author. The data are not publicly available due to [理由(例:privacy reasons / ethical restrictions / legal restrictions)].

The data that support the findings of this study are available from [データの所有権がある第三者] but restrictions apply to the availability of these data, which were used under license for the current study, and so are not publicly available. Data are however available from the authors upon reasonable request and with permission of [データの所有権がある第三者].

④「そもそもデータの分析は行っていないため共有するものが無い」場合

Data sharing is not applicable to this article as no datasets were generated or analyzed during the current study.

Data sharing is not applicable to this article as no new data were created or analyzed in this study.


【参考にしたサイト】

Springer の文例 >> Research Data Policy: Data Availability Statements

Wiley の文例 >> Wiley’s Data Sharing Policies

Data repository について

私自身はデータのデポジットをしたことはありませんが、データを保管できるリポジトリはたくさんあります。

Elsevier のジャーナルなら「Mendeley Data」でいいかもしません。他にも re3data.org などで探すとたくさんありますので、専門領域や扱っているデータの種類などで絞って適当なところを探してみてください。

私も今後機会があればまたご報告します。

おわりに

論文を投稿する際に求められる「Data availability statement」について、回答パターン別にサンプル文言をまとめました。基本的にはテンプレそのままで行けることがほとんどなので、慣れてしまえば戸惑うことは無いと思います。

是非、参考にしていただければ幸いです。

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