慣れると便利な実用英語での付帯状況「with」の使い方

学校文法で「with」の「付帯状況」の使い方は習いますよね。

「~しながら」っていう意味のやつですよね?

まさにそれなのですが、実は実用英語でかなり頻繁に使う頻出文法なんです。

でも「~しながら」なんていう文脈、実用英語では使わない気がしませんか?

その感覚は正しくて、実際「~しながら」で訳される文は滅多にないと思います。でもこれは、この日本語のせいです。

付帯状況の「with」自体はめちゃめちゃよく使われています。ネイティブに英文をチェックしてもらうとこの表現に修正されて返ってくることも結構あります。

使えるとすごく便利だと思いますので、今回はこの付帯状況「with」の実用英語での使い方を見ていきたいと思います。

知っていれば十分な文法・構文はたくさんありますが、これは使える文法に入れてみてください。ライティングが楽になりますよ。

INDEX

付帯状況の『with』

基本の定義

まずは学校で習う感じの例文で基本を確認しますね。

with + 名詞 + 状態」の形で、「名詞~の状態のままで」「名詞~の状態にしながら」という意味です。

彼女は今、赤ちゃんを背中で寝かせながら夕食の準備をしています。
She is now preparing dinner with her baby sleeping on her back.

寝てるのかと思ったけど、彼は目をつむったまま音楽を聴いているだけだった。
I thought he was asleep, but he was just listening to music with his eyes closed.

スマホ片手に食べるのは止めなさい。
Don’t eat with your smartphone in your hand.

この定義自体に何も問題はありません。

ただ、「with = ~しながら」とインプットしてしまうと使える状況がかなり限られてしまうと思うんです。

実際は下で見るようにもう少し広い文脈で使います。

二つの文を繋げるイメージで使える

「付帯状況」と言われる通り、同時に起こっていることを表すのに使う「with」。ですが、必ずしも「~しながら」という文脈でなくても構いません。

例えば、とある事柄に対して補足や追加情報を加える文脈で使います。

例1:この疾患は小児の有病率が高く、10歳までの小児の約20%が罹患している。

This disease is prevalent in children, with about 20% of children aged ten years or younger having this condition.

This disease is prevalent in children: about 20% of children aged ten years or younger have this condition.

「and(~で、)」で繋がるような二つの文も with を使えば一文で表現できます。

例2:この映画は大ヒットし、50万人以上が映画館に訪れた。

This movie made a huge hit, with more than 500,000 people watching it in theaters.

This movie made a huge hit, and more than 500,000 people watched it in theaters.

ある事象について補足をしたり追加情報を述べているだけなので、「同時に起こっていることを表す」という付帯状況の定義ともズレてはいないですよね。(「付帯状況」という言葉が適切なのか分からないので、無理に合わせに行く必要もないと思いますけどね。笑)

文法学者さんには怒られてしまうかもしれませんが、少なくとも実用の面ではこの程度の理解で十分です。

『with』を使いたい理由

この「with」の使用が重宝されるのは、二文に分けるまでもない内容を一文でシンプルに表現できる可能性があるからです。

ライティングにおいてはシンプルさは命です。

「and」や「but」でやたらと文章を繋げることは好ましくありません。シンプルさの重要性については「アカデミックライティング|簡潔な英文を書くための7つのコツ」をご覧ください。

  • 切れるなら切る(二つの文に分ける)
  • シンプルに一文で書けるなら繋げる(※)

※ 一文にすることで長くなり過ぎる場合は本末転倒なので却下です

これを叶えるのに付帯状況の「with」が使えるという訳です。

with を使えば必ずシンプルになるという訳ではありません。(上で示した例文も長くなってしまっていて、あまり綺麗なものじゃないですよね・・・すみません。)

無理に繋げずに文を切った方がいい場合もありますし、もっと単純な名詞句・前置詞句で表現できる場合もあるでしょう。あくまで選択肢の一つです。でも、この選択肢を持っているメリットはすごく大きいですよ。

例文

使うメリットと注意点はお伝え出来たと思いますので、あとは実践に繋げるため例文をもう少し見てみましょう。

This application is popular among the youth, with approximately 75% of the 20s using it.
このアプリは若者に人気があり、20代の約75%が利用しています。

Hamburgers are the most popular menu here, with more than 500 people ordering them a day.
ハンバーガーはこの店一番の人気メニューで、1日に500人以上が注文する。

Five Japanese participants made the finalists, with two making the top 3.
日本人では5名がファイナリストになり、そのうち2名がトップ3入りを果たした。

Every team showed good performance in the game, with Team A even breaking the world record.
試合ではどのチームも素晴らしいパフォーマンスをし、チームAは世界記録まで更新した。

This is a common health problem, with about 500,000 people newly developing this condition in a year.
これはよくある健康問題で、1年間に約50万人がこの症状を新規に発症する。

Previous studies evaluated the efficacy of this treatment, with most of them reporting positive results.
この治療法の有効性は先行研究で検討されており、そのほとんどでポジティブな結果が報告されています。

To date, this idea is still controversial, with some strongly arguing that the demerits outweigh the merits.
現在もこの考え方には賛否両論あり、メリットよりもデメリットの方が大きいとする意見も根強くある。

Most workers reported having stress in their workplace, with personal relationships being the most common cause.
ほとんどの労働者が職場でストレスを抱えていると回答しており、その原因として最も多かったのは人間関係だった。

分詞構文

付帯状況を表す表現には with を使わない分詞構文もありますよね。こちらもライティングでは必須の文法です。

ライティングで使いたい分詞構文の用法については下記でまとめていますので、よければこちらもご覧ください。

おわりに

付帯状況の「with」を使えば、二文で表現していた情報を一文にまとめ、シンプルにできる可能性があります。(注意:逆に長くなったりややこしくなってしまう場合もあります。いつでも万能という意味ではありません。)

論文やニュース記事を見ていても普通に出てくるので、慣れておくと読むときにも役立ちます。

「with = ~しながら」と覚えていると今回紹介したような使い方は思い浮かばないかもしれません。

是非この文法の使用パターンに慣れて、ライティングでの登場回数を増やしてあげてみてください。

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