多読なら Graded Readers から始めるのがおすすめ|洋書読書の始め方

読書が好きで、「洋書も読んでみたい」「洋書が読めるようになりたいな」という方におすすめなのが、Graded Readers(英語学習者の多読向け洋書)です。

洋書というといきなりペーパーバックを買ってしまいがちですが(見た目オシャレですしね。笑)、余程ガッツが無ければ読み切るのは難しいためあまりおすすめできません。内容が合わなかったり語彙が難し過ぎたりすると挫折する可能性が高く、「洋書はやっぱり無理だわ」と、せっかくの熱意や意欲まで失ってしまうこともあるからです。

ペーパーバックに入る前に、「 Graded Readers でまず洋書を読むことに慣れる」というフェーズをひとつ入れると、挫折するリスクも減ってスムーズに次のレベル(英語学習者向けではない洋書)に移行できると思いますよ。

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Graded Readers とは?

テーブル置かれた開いた本とコーヒーと眼鏡

Graded Readers とは、英語学習者向けに使用語彙のレベル・語数を限定して作成されている洋書です。

ノンフィクションもフィクションもどちらもあります。古典、童話、映画タイトル、有名小説のお話もたくさんあり、教養としてストーリーや内容を知っておきたいものを手軽に読めるという利点もあります。

ひとつの出版社が作っているモノではなく色んな出版社からシリーズが出ています。ペンギンリーダーズ(Pearson English Readers)などが有名ですが、出版社・シリーズに拘る必要は全然ありません。「Readers = 英語学習者の多読用の薄い洋書」という認識で十分です。

Graded Readers のメジャーなシリーズ

  • Pearson English Readers (Penguin Readers)
  • Oxford Bookworms Library
  • Cambridge English Readers
  • Macmillan Readers
  • 他にもあります。

レベル別にステップアップできる

シリーズによって微妙な違いはありますが、Graded Readers はその名の通りレベル別にラインナップされています。まずは易しいレベルから慣れていき、徐々にレベルアップしていけますよ。

  • Pearson English Readers (Penguin Readers) のレベルの目安
Level英検CEFR
Easystarts level3級~2級A1 ~ A2
Level 13級~2級A1 ~ A2+
Level 2準2級~2級A2 ~ A2+
Level 3準2級~準1級A2+ ~ B1
Level 42級~1級B1 ~ B2
Level 52級~1級B1+ ~ B2+
Level 6準1級~1級B2 ~ C1
ソース:Pearson English Readers “Find the book by level”
  • Oxford Bookworms Library のレベルの目安
Level英検CEFR
Starter5級~3級A1
Stage 15~3級、~準2級A1 ~ A2
Stage 2準2級~2級A2 ~ B1
Stage 32級B1
Stage 42級~準1級B1 ~ B2
Stage 5準1級B2
Stage 6準1級~1級B2 ~ C1
ソース:Oxford Bookworms Library
  • CEFR = Common European Framework of Reference for Languages(ヨーロッパ言語共通参照枠)

Graded Readers から入れば、挫折するリスクが極めて低い

ひとり掛けのソファーに座って本を読んでいる女性

私は大学の英語の授業で「Graded Readers を読む」というものがあったので、毎週図書館で借りては読んで、また次の本を借りては読んで、、、をひたすら繰り返していました。

洋書の読書はそれが初めてだったため、最初は「読むぞ!」という気合が必要でしたし、消化しきれずに終えた本もありました。でも、何冊も読んでいると洋書を読むということ自体に慣れ、スピードも速くなっていきます。

洋書の多読というと、「分からないところは飛ばしましょう」というアドバイスをよく聞きますよね。いきなり難易度の高過ぎる本を選択してしまうと、「分からないところ」が多すぎて、全部飛ばしていたら内容が全く理解できなかった・・・みたいなことも起こります(実体験)。笑

その点、Readers で易しいものから始めれば「分からないところ」が少ないため、読み飛ばしも読書に支障のないレベルで自然にできます。それが出来ない時は、「レベルが合っていないから下げよう」とすぐに方針転換することもできます。洋書を挫折するリスクがとても低いんです。

多読や洋書に失敗するケースで多いのが、いきなり背伸びして分厚いペーパーバックに挑戦してしまい、面白味も何も感じる前に「自分には無理だ」と思って撃沈してしまうパターンだと思います。

だから、まずは Graded Readers で洋書を読むことに慣れることから始めるのがおすすめです。そのうち嫌でも物足りなくなってきます(笑。そのタイミングで一般的なペーパーバックや洋雑誌など自分の好きなジャンルの多読に移ると、また一気に刺激も増え、リーディングがますます楽しくなると思いますよ。

私はもともとマンガ・小説好きなので、Readers で洋書に慣れた後はChick Lit 中心に普通のペーパーバックに移っていきました。^^

Readers のおすすめポイント

短い

ペーパーバックはどれも極太(厚)ですよね。笑 面白くなかったり難しすぎたりしたら絶対に挫折します。

一方、Readers は慣れれば1~2日で十分読める長さです。まずは読むことに慣れることが大事なので、「読み切れる長さ」であることはとても重要です。

上でも触れましたが、Readers には古典や童話、有名な映画や小説などポピュラーな題材のものがたくさんあります。ストーリーをコンパクトにまとめてくれているので、教養として知っておきたい話を手軽に読むことができるというメリットもあります。

図書館で借りられる

多読のために読む本を毎度買うのはしんどいですよね。

Readers は大学の図書館にはまずあると思いますので、多読を始めたい大学生の皆さんには特におすすめです。地域の図書館にもある可能性が高いです。私の地域の図書館にはありますし、他の地域の図書館でも多読コーナーを置いているところなどにはあるようです。

何度も繰り返し読むようなものでもない(←失礼)と思いますので、借りて読めるのは個人的には大きなメリットです。

コロナ禍だと図書館の書籍に対してネガティブな印象がある方もいるかもしれませんが、気にならない方は是非一度お近くの図書館の蔵書を確認してみてください。

レベル別に作られている

割と細かくレベル分けされているため、自分のレベルに合った本を選びやすいです。難しすぎるなと思った時は下のレベルに落とすなどの調整が簡単です。逆に、余裕が出てきたら上のレベルにどんどんステップアップしていけます。

この過程で自信が付きますし、読んでいる文章のレベルが上がっていることが自分でも分かりますので、ますます楽しくなっていくと思います。

Readers を選ぶ時に気を付けたいコト

本を広げながら大きな口を開けて笑っている小さな男の子

洋書を読みたいと思ったきっかけや理由は様々だと思いますが、趣味や楽しみのために始める人が多いと思います。苦行として行うことが目的でないなら、本を選ぶ時には以下を意識してみてください。失敗するリスクが下がるのでおすすめです。

本を選ぶ時のポイント

  1. 易しめのレベルのものから選ぶ
  2. 興味のあるジャンルのものを選ぶ(フィクション、ノンフィクション、古典、etc…)
  3. つまらないと思ったらすぐに別の本に変える

特に②と③は大事です。

母国語でさえ、内容が合わない(つまらない)本を読むのは苦行ですよね。外国語になれば当然そのハードルはもっと高くなります。つまらないと思うものを読んでいても得られることはありませんし、洋書を読めるようになるのに「苦行」は必要ありません。

「楽しい」「面白い」と感じながら読めるものを選ぶことを最優先しましょう。

知っている話やタイトルで選ぶのもアリですが、読み始めて「違うな」「つまらないな」と思ったらすぐに止めるくらいの気持ちで読むのがおすすめです。(絶対に「苦行」にはならないように気を付けましょう!)

カタログ

初めは特に、図書館や書店で実際に中身(最初の1~2ページ)を読んでみてから選んだ方が失敗が少なくておすすめです。Amazon なんかでも試し読みはできますけどね。

「Readers の本ってどんなのがあるのかな?」と思う方は、是非カタログを見てみてください。読んでみたいものが見つかるかもしれません。

  • カタログで目星を付けておくと実際に選ぶ時に効率がいいですが、図書館や書店(オンライン・実店舗)に全て揃っている訳ではありませんのでご注意ください。

ピックアップ

本選びの基準は人それぞれだと思いますが、私の場合は「タイトルは聞いたことがあるけど、内容はよく知らないもの(しっかり読んだ記憶がないもの)」を中心に選んでいました。

古典や映画で有名になったお話でもコンパクトにまとめてくれているため、おすすめですよ。

フィクションが苦手な方へ

Readers にはノンフィクションもあるにはあるのですが、数は少ないです。

私は小説好きなので、読書というとどうしても「フィクション」を想定してしまうのですが、もちろんノンフィクション派の方もいらっしゃいますよね。

「物語には興味ないんだよな・・・」という方は、Readers よりも英語学習者向けの英字新聞など、短めのニュース記事の多読から入った方が楽しいかもしれません。

下の記事では多読を始めるレベルにピッタリな英字新聞も紹介していますので、Readers 微妙だな・・・と思った方は、是非こちらも検討してみてください。

おわりに

洋書を読んでみたい人、いずれは普通のペーパーバックが読めるようになりたいなという人は、是非「Graded Readers」から始めてみてください。洋書読書のハードルが下がるため挫折せずに続けられると思いますよ。

面白そうだなと思っても、本なので合う合わないは絶対にあります。英語力が問題ではなく、単純に内容が合わない(つまらない)だけの場合もたくさんあるはずです。英語のせいかな?と思ってあきらめるのではなく、さっさと別の本を選び直すのがおすすめです(日本語の本でも、つまらなくて途中で止めることなんてたくさんあると思います)。

読書は苦行ではないので、是非、楽しいもの・好きなものを選び、「読書を楽しむ」という気持ちを忘れないようにしてくださいね。それが多読を楽しむ一番の秘訣だと思います。

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