洋画が好きな人にとって、字幕に頼らず映画が見られるようになるのってひとつの憧れですよね。映画を楽しみながら英語の勉強にもなったらいいなと思う人は多いと思います。
映画で英語の勉強はできます。実際私は大学生の頃、洋画で英語の勉強をするのにハマっていました。
ただ、英語学習の目的や割ける時間数によっては「映画で英語の勉強」は厳しいです。
やり始めてから「やっぱりダメだ」と思うと色々残念ですし、せっかくの熱も冷めてしまいます。あとからガッカリしなくて済むように、映画が自分の学習目的やスタイルに合っているかを事前に確認するのはとても大事なことですよね。
そこで今回は、映画を学習素材とするメリットと、向き不向きをお伝えします。
「映画で勉強してみたいな」と思っている方の判断材料のひとつになれるよう、少しでもイメージが伝えられれば嬉しいです。もし映画が向いていそうなら是非一緒に楽しみましょう ^^
映画で英語の勉強はできるか?
もちろん映画で勉強はできます。私も2~3年、映画中心に英語を学んでいたことがあります(映画以外で一切英語に触れなかったという訳ではないですが、映画をメインにしていました)。
リスニングの勉強の他、スピーキングで使いたい表現・語彙の勉強になります。
映画を学習素材にするメリットとデメリット
メリットは皆さんのイメージと大きく外れていないと思います。ただしメリットばかりではありません。

デメリットももちろんあります
メリット | デメリット |
---|---|
楽しみながら勉強できる ナチュラルな口語が学べる ナチュラルスピードのリスニングに慣れる 英語の学びが無かったとしても、少なくとも映画は楽しめるため損をしない | 時間の確保が大変 リスニング力アップの即効性はない 見るだけで終わってしまう(勉強にならない)リスクは高い 見たい映画を探すのが面倒になってくる ゴールを見失うとモチベーションが無くなる |
映画学習が向いている人
映画を学習素材に使うのが適しているのは、以下のような人です。
- 時間がかかってもいい(英語の上達を急いでいない)
- 英語力アップが主目的ではなく、映画を楽しむ「ついで」に勉強できたらいいという温度感
- 映画が好き(作品探しが苦ではない、同じ作品を何度も観られる)
逆に、即効性や効率重視の人にはまったくおすすめできません。
また、映画1本見るには90~120分程かかります。まとまった時間が確保できない人には向いていません。
ナチュラルスピードのリスニング力アップが目的なら、英語雑誌などを使った方が密度の濃い勉強ができると思います。効果重視の方は是非他の方法も検討してみてください。


映画を使ったおすすめの英語勉強法


「英語の勉強」といっても目的・ゴールは人それぞれですが、語彙や表現の習得が目的の場合は「ただ見るだけ」ではなく能動的な作業が必要になります。
英語字幕で見る
日本語字幕を付けているとどうしても母国語の方が早く脳に入ってきてしまうため、英語が入ってきません。
視覚情報(日本語)と聴覚情報(英語)とを一瞬で結び付けるのはハードワークです。余程の意気込みと集中力が無い限り、脳は対応してくれません(体は楽な方を取ります)。
英語を聞いている気にはなりますが、結局は日本語字幕を追っているだけで学習にはなっていないことがほとんどだと思います。
そのため、映画で英語を学ぶ場合は是非英語字幕を使ってください。
耳を鍛えるために「字幕なし」で見るのも人によっては(既に英語力の高い人では)効果があるかもしれませんが、個人的にはおすすめしません。
字幕なしだと、聞き取れないところを新たに「学ぶ」ことはできないからです(分からないところは、そのまま分からないで過ぎ去るだけ)。
あとから分からなかったところのスクリプト(英語字幕)を確認したり、聞き取れるまで何度もそこだけ聞き返したり、といった能動的な作業を行うつもりなら別ですが、これってだいぶ面倒くさくて非現実的だと思います(少なくとも私はやりたくない…)。
映画で学びたいなら英語字幕で見るのが一番おすすめです。
知らない単語やフレーズをメモしておいて、後で調べる
英語字幕にしておけば、聞いたことのない音が出てきたときや聞き取れなかったときにすぐにスペルが確認できます。
知らない単語が出てくるたびにいちいち止めて調べるのは面倒くさいので非現実的です。
出てきたときに取り敢えずササっとメモっておいて、後で調べるのがおすすめです。
そのフレーズが出てきた場面が印象に残っているなら、後から意味を調べるだけでも語彙の勉強になります。
もしどういう場面で使われていたかが思い出せない場合は、調べた語彙リストを見ながらもう一度映画を見直すといいですよ。記憶にも定着しやすくなります。



何年も経った今でも、どんなシチュエーションで出てきた単語なのかまで鮮明に覚えている単語が幾つかあります。映像の力はすごいですね。
当たり前ですが、知らない単語を全部シラミ潰しに覚えようとする必要はありません。気になったもの、キーになる単語、なんかカッコいいなと思ったフレーズなど、取捨選択しましょう。
完ぺき主義も時には大事ですが、映画で学びたいと思った人なら「楽しみ」を重要視したいはずですよね。勉強においては「楽しく続けられるペース」を探るもの大事なことです。
同じ映画を繰り返し見る必要は無い
リスニングの勉強では「繰り返し」同じ素材を聞くことがセオリーです。
そのため、「同じ映画を何回も繰り返し見るべきなのかな」と思う人がいるかもしれません。
結論から言うと、別に同じ映画を何度も繰り返し見る必要はありません。
もちろん、その映画が気に入って「もう一度見たい!」と思った時は飽きるまで見返せばいいと思いますが、「あー面白かった」レベルの映画をもう一度見るのは結構しんどいと思います(2時間かかりますからね)。
「1度目は英語字幕で、2回目は字幕なしで」のようなルールを作ってしまうと、継続するのが辛くなります。また、1回見ただけで2度目字幕なしにするのはハードルが高すぎると思います。
上で紹介したように、知らなかった語彙を拾っていくだけでも十分勉強になります。リスニング強化が目的なら、もっと短い動画なり教材なりで勉強した方が効率がいいです。
映画学習では、リスニング力よりも「1個でも知らない表現を覚える」という表現獲得にフォーカスした方が気楽で続けやすいと思いますよ。
映画の選び方のポイント


「楽しみながら学ぶ」というスタンスが大事な場合は、自分が興味のある映画を選ぶのが一番大事です。
特にジャンルのこだわりが無い方は、以下を映画選びの参考にしてみてください。
- ヒューマンドラマやラブストーリーなどの「日常」が舞台のもの(普段使いの言語が学べるため)
- 非ミステリや重過ぎないものなど、何度も繰り返し観る気になるもの
- あまり年代の古すぎないもの(言語にも流行はあるため)



これはあくまで私的なおすすめです。
私の知り合いには、ゴリゴリのファンタジーの Harry Potter で勉強した人もいます。私より遥かにペラペラな人です。やる気さえあれば題材は何だって学べますので、興味の湧く作品を選ぶのが一番ですよ。
私はトム・ハンクスの英語が聞き取りやすくて好きなため、彼の出演作ということで選んだ作品もたくさんあります。
声が好きな俳優さんで選んだりするのもおすすめですよ(何回も繰り返し聞きたくなるから。笑)。
映画を見るには動画配信がおすすめ
DVD だとほぼ確実に英語字幕があるためおすすめですが、レンタルの手間などを考えると動画配信の方が圧倒的に便利だと思います。予告編もすぐ見られますし、選ぶのも楽です。
私は Amazonプライムビデオ
Amazonプライム の映画に英語字幕を付ける
Amazonプライムの方は英語字幕が初めからある作品は限られていますので、Chrome の拡張機能である「Subtitles for Language Learning (Prime Video)」(無料)を使って英語字幕を出してくださいね。
ちなみにAmazonプライムは価格の割に海外ドラマもかなり充実しているので、映画ではなくドラマ派という方にもおすすめです。



ただし海外ドラマにはかなりの中毒性があるためご注意を!
睡眠時間が無くなります。笑


おわりに
明確なゴールや学習目標がある場合の英語学習には向きませんが、「楽しむついでに学びたい」という要望を叶えてくれるのが映画です。
字幕を確認したり見返したりという手間を惜しまずに勉強すれば学びはたくさんあります。何もやらなかったとしても映画自体は楽しめるんですから損がありませんしね。笑
向いているか向いていないかはやってみないと分からないところもあると思いますが、もし興味があり、上で紹介したデメリットも許容できるという方は、是非一度気軽にトライしてみてください。
「楽しい」というのは何よりのモチベーションになるはずです ^^

